マウンテン・ゴリラのカーライフ

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MAZDAに「学んだ」トヨタシャシーを使う意味ある!?

 

中国専売と北米専売

日本で発売されるわけでもない「CX-50」を巡ってあれこれとカーメディアが盛り上がりを見せている。数年前に現地生産&中国市場専売でCX-4が発表され、「世界のMAZDAが中国市場のために最高にクールなクーペSUVを作ってくれた!!」と絶賛された。2004年頃から中国市場はマツダのことがかなりお気に入りで、3世代のアテンザが同時生産されるなどのマニアぶりと発揮。共産党幹部「御用達」の第一汽車が2010年頃に選定したベースモデルにも、トヨタ・マジェスタVW・ゴルフと共に、MAZDAのGHアテンザが選ばれるなど、MAZDAの実力がよくわかっている市場だと言える。

 

 

10年

まだCX-5も発売されていない2010年頃のMAZDAの「輝き」は、日本&ドイツの熱狂的ファンと、イギリスのMZRエンジンを好むスポーツカー好きと、中国の技術者の間では「伝説」だ。同時代の日本のカーメディアで活躍していた国沢光宏さん、小沢コージさん、河口まなぶさん・・・といった連中には全く感知されていなかったようだが。全てはGH後期アテンザプレマシーでの実験から、10年以上に渡って勝ち続ける「MAZDAの異常事態」が始まったと某社員のインタビューで度々語られてきた。リーマンショックという異常事態を除けば、その前の2002年から見事な上昇カーブを描き続けている。

 

 

 

世界王者

中国限定なのでCX-4はWCOTYに縁はなかった。今回のCX-50も優れたエクステリアが印象的だけど、同じようにWCOTYにはノミネートされないかもしれないが、MAZDA車初の北米COTYでの戴冠があり得るかもしれない。今ではMAZDAが新型車を作れば、例外なく大賞&デザイン賞の有力候補になっている。その受賞歴はトヨタ、日産、ホンダどころかメルセデスBMWVWアウディをも完全に上回っている。日本のカーメディアは「MAZDAはプレミアム化を目指している」と掻き立てるけども、今ではどこの市場で訊いてもメルセデスBMWのデザイン(決して悪くはないが)では、MAZDAのレベルには遠く及ばないと回答するだろう。

 

 

何が言いたい!?

日本では根強い人気のMAZDAのBセグメントに関しては後継モデル開発の発表がない。欧州向けモデルにはトヨタからのOEM車が充当されるが、MAZDA本体が後継の開発に着手できていないので仕方のないところだ。しかし北米向けの小型SUV(C/Dセグ)CX-50でも同様の対応はされないだろう。トヨタとの合弁工場で生産されるからといって、CX-50はトヨタシャシーを使ったOEMや兄弟車だと「決めつける」カーメディアも見られる。今のところしつこく主張しているのが、国沢光宏さんと河口まなぶさんの2名。河口さんはMAZDAに電話取材して「OEMではない」との回答を得ていてもなお自身のユーチューブチャンネルで「臭い、臭い」を連呼していた。なんかしらの「アンチ・MAZDA」な世論を作りたいようだ。

 

 

 

トヨタ社長を魅了する

トヨタTNGAでCセグを担当する「GA-C」プラットフォームについては、トヨタ本「豊田章男」にもはっきり書かれているが、社長自らMAZDAの第六世代(2012-20199シャシーのコピーを命じていて、MAZDAシャシーに準じる性能を得ているらしい。2000年頃から欧州市場攻略を念頭に置かれて設計された先代のトヨタMCシャシーでは、オーリスやブレイドなどVWに近い設計をしていた。しかし先代MCシャシーは性能面で北米市場でホンダに対抗することができず、豊田章男社長が就任後にやってきたプラットホームの更新に際して、VWからMAZDAに乗り換えた。オーリスと現行カローラの差がVWMAZDAの違いと言い換えることができる!?

 

 

ナンセンス

同じく「豊田章男」の中では、MAZDAの第六世代が2012年に発売され、それをコピーしたTNGAが2017年に登場し、2019年にはMAZDAは第七世代に突入し、2024年以降にTNGAが刷新される予定となっていて、このタイムラグこそがトヨタの弱点だ!!とか大袈裟なことが書いてあった。すでに第七世代に突入しているCX-50に、第六世代をコピーしたTNGAのカローラクロスの設計を取り入れるのはナンセンスだ。日本のカーメディアの中枢にいるライターがこのことをわかってない・・・これが悲しい現実だ。欧州メーカーや日産&ホンダの新型モデルがなかなか日本にやってこないのも仕方のないことなのだろう。端的に言ってしまえば、国沢&河口のような「オンチ」だか「アンチ」がクルマを堂々と語っていることが異常なのだ。

 

 

 

MAZDAのやり方

MAZDAというメーカーが信頼できる理由の一つに、開発が「不可逆的」であることが挙げられる。例えばトヨタだとカローラカローラツーリングと同じプラットフォームを使っているにも関わらず、後から出てくるカローラクロスには異なるリアサスペンションが使われている。日産でもノートe-POWERとキックスが併売されているが、使われているシステムの世代が違う(キックスは古いものが使われている)。中国市場やASEAN市場において、日本メーカーは本国とは異なるスペックのクルマを投下してくる様子を冷めた眼で見ている。キックスやカローラクロスが現地のCOTYで大きく評価されたりはしない。

 

 

全てを勝ち取る

それに対してMAZDAは相当な覚悟でCX-4を作り、今またCX-50を発表した。それぞれの市場でMAZDAのイメージリーダーとして存分に活躍できるだけのクルマ作りをしている。2017年中国デザインCOTY受賞も当然の結果だといえる。2004年のGGアテンザや2020年のMAZDA3など中国、タイ、カナダ、オーストラリアなど環太平洋エリアのCOTYを総ナメにするモデルを定期的に生み出すことがMAZDAの使命でもある。そしていよいよ最後に残された「MAZDA車がCOTY未受賞の」アメリカ市場にFR&6気筒を武器に突撃する。

 

 

「作りたい」会社

日本市場で他社シャシーモデルを次々発売するトヨタはクルマを「売りたい」会社なのに対して、MAZDAはとにかくクルマを「作りたい」会社なんだと思う。開発者もデザイナーも声を揃えて言うがMAZDAのクルマ作りはとにかく時間がかかるけど「作るのが好き」だからやめられないんだってさ。ガソリン車に残された最後の10年で掲げた「北米進撃」。その尖兵として導入されるCX-50は非常に重要なモデルであり、「他社のシャシー」で作るとは考えにくい。「ブランド力」で1位だと評価された北米市場だけど、まだ北米COTYの頂点には届いていない。RX-8、CX-5、MAZDA3(先代)、CX-9、MAZDA3(現行)などがトップ3には入っているのだけど、いよいよ北米の頂点を視野に入れたクルマ作りが始まった・・・。