マウンテン・ゴリラのカーライフ

最高に面白いクルマのブログを作りたい!!(もちろん全編フィクションです)

三菱トライトン でやってみたいこと。

 

 

三菱がオンリーワンな理由

 

ポルシェやMAZDAのような世界的なスポーツカー・ブランドが、今ではすっかりとSUVを主力モデルに据えいる。そんな時代であるので、三菱のような真面目な実用車メーカーはSUVのシェアを落としている。主力SUVアウトランダー東日本大震災の直後のタイミングで家庭に給電もできるPHEVが話題を呼んだ。それから10年が経過し同じコンセプトのままフルモデルチェンジされたけども、国からもたっぷりと補助金が給付されているのに販売台数は振るわず注目度もそれほどではない。

 

三菱が好きな人も一定数はいるだろうけど、やはり半世紀以上も専用設計でスポーツカーを作り続けているブランドが手がけるSUVはオーラが違う。バスやトラックを連想してしまう三菱車のフロントデザインが根本的に変わらない限りは、モノコックでトータルデザインを重視するSUV市場のトレンドには合わない。バスやトラックのような機能美が好きな人が開発しているのだろうし、同じ趣味のユーザーもいるだろうけど、デリカD5、アウトランダー、デリカミニは、それぞれに「働く自動車」っぽさが印象的だ。

 

 

日本車の実力

 

お洒落なSUV市場は放棄して、いよいよグローバルで三菱の稼ぎ頭になっているトライトンが日本に復活するようだ。「一億総中流」から「格差社会」へ変わり、クルマヒエラルキーは形骸化し、今では誰がどんなクルマを選ぶのも自由だし、一定年齢以上の人でなければまず他人のクルマ選びに干渉などしない。免許を取ってすぐに選ぶクルマも、カローラツーリングだけでなく、N-BOXジムニー、GR86、ハリアーアルファードランクルなど幅広い。乗ってみたいクルマを10年も待っていたらエンジン車が日本からなくなっているかもしれないし、行政からイジメのような課税対象になっている可能性もある。だからこそ免許取ってすぐにトライトンもありだと思う。

 

本場の北米市場では6m級のフルサイズピックアップが中心だ。三菱トライトンは5.3m級の中型ピックアップで、主にアジアや欧州市場向けに開発された。中型ピックアップを生産するのは、三菱の他にトヨタ(ハイラックス)、日産(ナバラ)、ホンダ(リッジライン)、いすゞ(BT-50など)、フォード(レンジャー)、GM(キャニオン)があり、日・米のメーカーが独占している。ラダーフレームにフルタイムAWDが組み合わされるので、欧州メーカーが安易に手が出しにくいようだ。ランドローバーもラダーは廃止した、しかし人気は高まっていてドイツなどの欧州主力市場でトヨタもラインナップしている。

 

 

 

快進撃が始まる!?

 

欧州自動車産業の2大グループであるVWとステランティスもグローバルでのピックアップトラック市場は無視できないようで、VWはフォード・レンジャーのライセンスを取得し南アフリカ工場で生産していて「VWアマロック」の名称でラインナップした。ステランティスは傘下にピックアップ専門ブランドの「ラム」があるけども、ラインナップはいずれも6mを超える北米専売のサイズばかり。グローバル向けの中型ピックアップの需要に対応するために、なんと中国・長安汽車の開発したモデルをOEMプジョー・ランドトレックとして販売している。さすがに欧州市場には未導入だけど。日本市場に入ってくるか!?

 

 

トヨタルノー日産三菱の2つの日本系グループは、新興国で中型ピックアップトラックの需要が高まるなどの市場の変動に、多角的な車種展開を武器に柔軟に対応している。小型車、ミニバン、SUV、中型ピックアップの4タイプが、アジア&アフリカの新興市場ではニーズが高い。10年近く前にランエボやギャランフォルティス(ランサー)を廃止し、セダン、ワゴン、Cセグハッチバックなどの開発をあっさりと終了した三菱も、長らくミラージュ、ekシリーズ、デリカD5、アウトランダー、エクリプスクロス、RVR、トライトン、パジェロに商品群を絞って世界の変化にうまく対応している。

 

 

ASEAN市場の勝者

 

北米市場で闘う覚悟を決めたスバルやMAZDAとは違って、三菱は北米からの撤退を計画したが現地からの要請で現在も販売を継続している。しかし北米向けではなく、三菱が輝けるフロンティアを求めた結果の「選択と集中」は遂行されている。日本市場のトレンドから見ると三菱は迷走しているようにも見えるが、日本のカーメディアが感知しないところに三菱はしっかり根を下ろしている。そのアジアの新興国市場では、以前からスズキやダイハツ&プロドアが優れたコスト管理と信頼性の高さで小型車を中心に人気だ。一方で日産は意図的に低品質にしたダットサンブランドと、北米から持ってきた日産ブランドでこの市場に挑んだけども赤字続きで撤退した。

 

三菱は冷静にASEAN各国のGDP成長率を読み、この市場における需要の変化を予測した。スズキやダイハツが持っていない、ラダーフレームディーゼルエンジン、Cセグ以上の中型シャシー、本格的AWD技術などを揃えている三菱は、IMFの予測でも世界のトップと言えるくらいの爆発的な経済成長を迎えているASEAN地域において今では特別な地位を得ている。販売台数では小型車と小型ミニバンが中心のダイハツ&プロドアの方が上だけれども、中型モデルを広く投入してくるライバルはトヨタ、ホンダなど巨大な日本勢ばかりで、ASEAN向けに新型モデルを集中させる三菱の戦略は上手く機能している。

 

 

価格高騰の理由

 

日本市場には馴染みが薄いけどもラダーフレームピックアップトラックは日本メーカーが世界に存在感を見せつける代表的なジャンルだ。自衛隊に納入する73式トラックに由来する三菱のラダーフレームは、ジープやランドローバーと張り合える伝統を持っている。三菱がバブルの頃のようにメルセデスの真似をして高級サルーン(デボネア)やスーパースポーツ(GTO)を復活させたところで、クルマ好きはそこにどんなカタルシスを感じるだろうか。トヨタや日産の高級サルーンが伝統を残せずに消えていき、レクサスでもセダンは完全に行き詰まりを迎えている。ドイツ車を模倣したところで何も伝統として残らないことは実証されてしまった。

 

スバルやMAZDAにしても、いつまでもSUVだけでやっていけるかは疑問だ。両社ともにWRXロードスターといったスポーツモデルの処遇に悩んでいる。利益率改善には一定の成果が上がっているものの、車両価格はブランド全体で目に見えて上がっている。両社に思い入れがない一般ユーザーにとっては、あまり魅力的な選択ではない。売る気のないBEVを設定したり、ファン向けのスポーツモデルを維持したりするので、一般モデルは高機能ではあるが大手メーカーと比べると割高かもしれない。

 

 

 

塞翁が馬

 

BEVに関しては日産以上の先駆的存在だった三菱だけど、2000年代にハイエナM&Aに狙われて、BEV開発とシャシー技術などをごっそりメルセデスに奪われた。ランエボメルセデスA45やA35として転生している。アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)とかは付いてないけど)。普通車クラスのBEV開発もスポーツモデルも奪われた三菱は、身軽になって上で書いたグローバル4車種(小型、ミニバン、SUV、ピックアップ)に経営資本を集中投下している。設計こそ古いもののRVRの230万円とかいうコスパは、余計な投資があるMAZDA、スバルには真似できない。

 

MAZDAやスバルの経営判断としてファンを繋ぎ止めるためにスポーツモデルの開発継続は、どうしても必要だろう。アメリカでSUVが売れているのもスポーツブランドのイメージがしっかり定着しているからだ。同時に両社ともに先進国中心の市場展開なのでBEVの設定も必須になってくる。アメリカで商売する以上は全然無駄な投資ではなく必要経費である。今後もお金を持っている国の人々に支持されるクルマを作っていけばいいのだろうけど、このままだと低迷気味の日本市場の自動車価格とは大きな乖離が構造的に生まれてくる。ドイツのエンジン車開発が崩壊し、一時的にはスバルとMAZDAが「新しいベンツとBMW」になるだろうが・・・。

 

ライフワークバランス改善

 

三菱ももっと日本のファンに訴求するクルマを作れ!!という意見が日本のクルマ好きやカーメディアから度々出てくるけども、その声に予想外な展開ながらトライトンの日本導入で応えようとしている。高齢者向けのモデルばかりで閉塞感を感じる日本の自動車業界を憂いた三菱にとって、ランエボを復活させたところで高齢者が喜ぶだけと判断しているのだろう。新興国の若い世代に向けて全力でクルマ作りをする三菱には、レクサスやドイツ車のような高齢者向けクルマ作りは不向きであるし・・・。

 

このブログをスマホで見てる人もいるかもしれないが、東京の電車ではみんな暇を埋めるように、生気のない表情でスマホを眺めている。なかなかディストピアな光景だ。歩きスマホノロノロな迷惑人間もメチャクチャ多い。そんな新たなストレス社会の裏返しでロードバイク、マウンテンバイク、キャンプ、釣りはどこも大盛況である。偉大なる三菱は、アナログなエクスペリエンスを求める日本のユーザーに向けてトライトンだ!!と考えたようだ。新しいクルマの価値を提案している。