マウンテン・ゴリラのカーライフ

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高級SUVとは!? ランドローバーとジープ

 

SUVの経済性

ガソリン高の影響からか、夏の高速道路は比較的にスイスイ進めて、渋滞もなく消費燃料が少なかったので、逆にガソリン代が例年よりも安上がりだったかもしれない。燃費のことはほぼ考えずに選んだガソリン自然吸気2.5LのMAZDA・CX-5に3年近く乗っているが、一体どれくらいエコ運転ができるのか試してみたくなった。常磐道上り線の対面通行区間(ほぼ70km/h制限)を使って、エコ運転するトラックの後ろで追従クルコンを使ってみた。一度もブレーキを踏むことなく、ちょうど100km走ったところ、平均燃費が脅威の18.2km/Lを記録した。

 

高速道路とはいえ、この燃費ならばハリアーやRAV4のハイブリッドにも遜色ないだろうし、2Lガソリン&CVTモデルと比べても低負荷で交通量が少ない高速道路という条件下ではむしろ有利なんじゃないだろうか!?そもそもハイブリッド車のモード燃費に対して懐疑的ではあったが、非ハイブリッドでこれだけ伸ばせるのだから、回生ブレーキがあれば20km/Lくらい出ても不思議ではない。常磐道茨城県区間に入ると最高速が110km/hになる。流石に75km/hのままで走り続けるのを放棄し、次の100kmは流れに任せて自然なスピードで走ってみた、当たり前だけど、ほぼいつも通りの平均燃費13.9km/Lだった。

 

 

 

実用性の塊

SUVだから燃費は諦めていたけども、まずまず満足な数値を出そうと思えば出せる。SUVに乗るようになってから完全に趣味がドライブ&サイクリングになった。ラゲッジにロードバイクもしくは折りたたみ自転車を搭載して観光地まで移動し、クルマの通行が規制されていたり、道が極端に狭くてクルマでの観光は諦めていた場所にも簡単にアプローチできるので、旅の費用対効果が一気に上がった。東京から離れた場所だと道路もボコボコだったりすることが多く、最低地上高21cmのSUVは非常に重宝する。

 

夏だと海水浴場の駐車場に停めて、海水浴せずにそのままサイクリングでぐるっと観光してきた後に、海水浴場のシャワーを使わせてもらう。とても便利な施設だ。クルマなど使わずに最初から全行程をロードバイクで駆け抜けてるのもいいけど、実際のところ一日200kmも走ってしまうと体へのダメージもかなり大きくて、そのあと1週間くらい調子が悪かったりするので、景色をじっくりみたい区間だけ自転車を選択している。宿泊用の荷物を積んでの長距離サイクリングはちょっとしんどい。

 

 

 

SUVとセダンの違い

着替えやエアポンプ、修理キット、晩酌用のウイスキーミニボトル、ノートパソコン、タブレットなどを積んでおくにもクルマは便利だ。ただし車中泊は絶対にしようとは思わない。ドライブも楽しい、サイクリングも楽しい、綺麗な景色、昼飯に旨いものを食べる、素泊まりホテルで晩酌用に買い込んだ魚介類や珍味を味わう、そして家以外で飲むウイスキーが旨い・・・これだけ揃ってしまえば、ガソリン代、高速代、宿泊代の経済的な負担も全く苦にならない。

 

数年前までセダンに乗っていたが、まるでクルマの価値感が変わってしまった。SUV大好きだけど、セダンの方がドライビングは楽しいことはわかっている。余計なアクティビティなど考えずに、お洒落な格好して、気の向くままにバカンスを楽しむにはセダンが良いとも思う。たとえば格式があってちょっと身構えてしまう美術館に乗り付けるなら、SUVではなくサルーンでスタイリッシュに乗り込みたい。SUVだとついついTシャツ姿で観光しちゃうけども、サルーンならば欠かさずにジャケットを着たくなる。

 

 

クルマの個性

ラフでアクティブなスタイルと相性がいいSUVと、知性があってスタイリッシュなスタイルを全身で貫徹するならサルーンがいい・・・2台保有が個人的には最高のカーライフだと思う。SUVで美術館へ行くことが禁止されているわけではないのだけども、なんか違和感がある。「美術館をわざわざ観に行く自分のライフスタイル」が好きという人がほとんどだと思うが、こだわり抜いたライフスタイルの基本は、満足できるファッションだったりクルマだったりが絶対的に必要だ。

 

ほぼほぼ勝手な想像だけど、ベンツやジャガーBMWの開発を行なっている人々は、美術館に行くライフスタイルを知っているから、かっこいいサルーンが作れるんじゃないかと思う。一方で日本メーカーのセダンの開発者は、ゴルフの時に使うクルマくらいにしか考えてないのではないか!?やや繊細さを欠く日本メーカーのセダンが、ゴルフ人口の減少と比例するように次々と消えていくのは仕方のないことかもしれない。日本メーカーのサルーンの中では繊細さを保持しているMAZDA6も、全体のイメージはゴルフ用かな?と感じてしまう。BMW4シリーズのフロントデザインのような前衛的アートな解釈があってもいいのでは!?

 

 

 

クルマは文化だ

輸入ブランドのセダンが売れているわけでもない。せっかくのドイツの個性的なデザインを持つサルーンも日本市場では活躍できる場所が減っている。日本の美術館のほとんどは都市部に偏在している。東京の上野に密集する美術館には満足な駐車場は用意されていない。東京23区の人口密度は1平方km当たり15000人を超える世界でも稀なレベルの超過密地帯だ。これだけ密集していればプライベートカーの運用は現実的ではない。1平方km当たり8000人ほどのシンガポールでは過密対策で自動車の保有には厳しい制限がかけているくらいだ。

 

日本は上質なセダンを運用する環境が、かなり限られたものになっている。横浜や京都などお洒落な観光地に乗り付けるにもSUVよりセダンの方が良さげだけど、オーバーツーリズムでクルマの不便さを痛感するだけの徒労に終わりそうだから、あまり足が向かない。ちょっと過激なことを書いてしまうけど、多くの人が集まる観光地に、ミニバンやSUVなどのラフなスタイルで乗り付けるのは考えものだ。家の近所でも憚られるようなパジャマのような服装のまま周囲に見られているという意識が希薄な連中は、その格好が観光地の風景を台無しにしていることに気づくべきだ。

 

 

 

SUVはセダンに勝てない!?

セダンとSUVで分断された役割の違いを、自動車メーカーはもっと率先してアピールして、クルマ選びに彩を与えてみてもいいと思う。MAZDAメルセデスBMWジャガーアルファロメオなど伝統と実績の名門ブランドは、品格あるセダンとより自由でラフなSUVの2ジャンルでラインナップを構築している。これらのブランドがセダンにこだわるのは、「SUVでは絶対の到達できない乗り味の領域がセダンにはある」という捨てきれない想いが残っているからに違いない。

 

ランドローバーやジープは、SUVだけをラインナップする専門ブランドだ。日本メーカーやドイツメーカーが大挙してSUVを作るようになったので、あっさり淘汰されるかと思ったが、ディフェンダーラングラーなど話題性溢れるヒットモデルも展開し、日本市場でもハッキリと存在感を示している。休日に観光地などを走っていれば、かなりの台数を見かける。ドライブが趣味のコアなクルマ好きが率先してランドローバーやジープを選ぶようだ。

 

 

 

名門ブランドのSUV作り

個性的なエクステリアのデザインモチーフが多いのに加えて、レクサス、メルセデスBMWなどの総合メーカーのSUVがセダンと共通の内装デザインを流用しているのに対して、SUV らしい機能性を備えたインテリアにも心を奪われて所有欲が満たされる。やはりSUVを買うならSUV専門ブランドにすべきという意見も説得力がある。実際にはブランドこそSUV専門だけど、ランドローバーはインドのタタ傘下でジャガーとエンジンなどを共有している。

 

また過去にBMW傘下、フォード傘下だった時代があり、レンジローバー・イヴォークとディスカバリースポーツの横置き2車種は、フォード時代のMAZDAシャシーを使っていて、それ以外のFRシャシーBMW時代のものを改良して使っている。MAZDABMWの技術的裏付けがある。一方でジープも長らくクライスラー傘下にあり、メルセデスシャシー、三菱シャシーが混在している。

 

 

MAZDABMWでは高級SUVは作れない!?

シャシーやエンジンは流用なので、SUVの機能や、よりラグジュアリーなインテリアの作り込みにコストが配分できることがランドローバーとジープの強みだ。スポーツカーやスポーツセダンを用意するブランドだと、他社のシャシーやエンジンの流用には慎重になるけども、SUVだとそこまで慎重にならなくてもいいのかもしれない。MAZDABMWなど乗り味に定評があるメーカーが本気でSUVを作れば、今までにない良いものができるという期待はあるが、ランドローバーやジープを超えるブランド力が得られるかは微妙だ。

 

詰まるところ、高級SUVとは、アーノルド=シュワルツネッカーがAMゼネラル軍用車ハンヴィーをベースにした乗用車をオーダーしたことで生まれたハマーだったり、メルセデスプジョー、シュタイア・プフなど複数の企業が合同で手掛けた軍用車両を民生化したところから生まれたゲレンデワーゲン(Gクラス)が、本来の高級SUVの定義に近いのかもしれない。軍用車両を手掛けたランドローバー、ジープ(AMゼネラル)、トヨタ、三菱あるいはカナダのコンクエストのように、軍用車のアイコンを残すことが高級SUVの証かもしれない。BMWMAZDAには資格がないが、そんな堅苦しいクルマは似合わない。