マウンテン・ゴリラのカーライフ

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MAZDAとBMWの差は縮まったのだろうか?

mazda-6-sedan.seesaa.net

 

 MAZDAの価値

6年ほど前に上記の記事を書いた。BMWが開発を担当するスープラと同じ時期にMAZDAのロータリースポーツが復活するのでは!?という怪しい情報が飛び交う中で、BMWMAZDAがスポーツカーでガチンコ勝負したらさぞかし盛り上がるだろうと思ったんだけど、全くアテが外れてしまった。乗用車レベルでは1、2を争うドライブフィールを重視するブランドであるという意味でも、直接「対バン」評価も楽しいと思ったが、「BMWマツダを比較するな!!」「寝言言ってんじゃねー!!」みたいな(中身のない)コメントは当時非常に多かった。とりあえず市場で一番良いクルマを作ることに徹するMAZDAなので、同じジャンル同士ならば相手がどんなブランドでもやっぱり強いよな・・・と思うのですが。

 

3シリーズ VS アテンザ

1シリーズ VS アクセラ

X3 VS CX-5

X1 VS CX-3

MINI VS デミオ

2シリーズ VS プレマシー

Z4 VS ロードスター

 

ムキにならずに気楽に読んで

 

6年前の段階では残念ながら、BMWの0勝7敗だ。南アフリカ・ロスリン製の3シリーズではどうあがいても山口県防府製のアテンザに組み立て精度では勝てない。E90系・F30系の2世代に渡る3シリーズに使用されたBMW・L7シャシーでは、エンジンマウントの脆弱性を抱えるGJアテンザ相手であってもNVHで上回るのは難しい。どちらも日本市場の主力ユニットはディーゼルだったから、その差は露見していた。

 

なぜMAZDAは優位に戦える!?

 

Dセグの3シリーズはともかく、他の6台は全てMAZDAの得意なフィールドでの対決なのでそもそも分が悪い。BセグやCセグは素材の良し悪しがそのままクルマの素性に跳ね返ってくるから、系列サプライヤーに支えられ、東アジアの豊富なマテリアル産業や電気機械工業との連携も容易なMAZDAの方が、開発環境からして完全に恵まれている。これを言ってしまってはお終いだが、Cセグまでのいわゆる「小型車」でしなやかな挙動を目指すのであれば自然吸気エンジンが圧倒的に有利だ。ターボを使って小型車&スポーツカーを作らなければいけない「無理ゲー」に挑むビーエムは素晴らしいと思うけど、さすがに・・・。

 

ビーエムのやり方

 

ちょっとメチャクチャな例えだけど、メルセデスやビーエムとは「今川義元」みたいなものだ。ごくごく理路整然に製品展開・拡充を行い、それぞれのモデルが内在するステータスをあらゆる方法で提示することで、由緒正しい「格式」=ブランド力で、カーメディアの人々やユーザーを大いに納得させる。ステータスが曖昧にしか明示されないメルセデス車やビーエム車は存在しない。顧客を納得させる「方法」を大切にしている。

 

MAZDAのやり方

 

それに対してHONDAやMAZDAは「織田信長」だ。既存のヒエラルキーを破壊すべく、独特の感覚で革新的なモデルを作るときの両社はいつも「神がかり」だ。5代目ファミリア、プレリュード、シビックtypeR、RX7、NAロードスター、初代NSXインテグラtypeR、オデッセイ、RX8、プレマシー、フリード・・・いずれ劣らぬ世界「ナンバー1」だか「オンリー1」なモデルばかり。

カローラを追い越してしまったファミリア

日産をキレさせたプレリュード

欧州最速となったシビック&インテグラtypeR

コルベットフェラーリが真似をしたRX7

世界中のメーカーがひっくり返ったNAロードスター

フェラーリを名指しでライバル指名したNSX

ビーエムのように走るピープルムーバーことオデッセイ

ポルシェ911を目指した(であろう)RX8

ビーエムみたいに走るスライドドアのプレマシー

ライトウエイトスポーツ&スライドドアのフリード

 

 

ルール無視の日本車

 

メルセデスやビーエムのファンからしてみたら、ホンダやマツダのやり方はもはや「ルール無用」「秩序無視」でひたすらに市場を混乱させる存在でしかない。特化した性能の高さは理解できるけど、軽量ボデーに小賢しい直4エンジンを乗せれば、そりゃそこそこの「走り」のモデルになるのは当たり前であるし。メルセデスやビーエムがやらないことをやっていい気になっているだけ。まあ衝突安全基準のレベルが総じて高いことは褒めるべきだけど、FFなのだから最初から有利ではある。

 

 

強すぎ

 

ホンダやマツダがいなければ、メルセデスもビーエムは難なく「名門」としての格式とプライドを維持するすることができただろう。織田信長さえいなければ今川義元は「覇者」だったわけだ。今ではすっかり首もタマも盗られてしまい、今川氏真となってしまった感があるけど、それでも由緒正しい出自は自慢してもいい。ちょっと深刻なのは、天下を獲った後の信長のようになってしまったホンダとマツダ。とんでもないスケールのプロジェクトを仕掛けているけど、追いかける獲物がいないので、そのダイナミックさがあまりよく伝わらない。アコードもインサイトMAZDA3も・・・はっきり言って今川氏真など眼中にないくらいの高性能化を実現してしまった。

 

 

1シリーズが悪いわけではない・・・

 

さて6年前のビーエムとMAZDAの力関係から、どのように変化しただろうか(あくまで個人の見解です)。MAZDA3と対峙するBMW1シリーズは、中身が変わっていてホンダの傭兵部隊を使っている。FRのビーエム本流よりハンドリングが良いとかいう声が無くもないけど、とにかく相手が悪すぎる。MAZDA3と1シリーズの差は、残念ながら6年前よりもさらに広がってしまった。現行1シリーズには衝突安全性の向上などポジティブな要素もあるので決して悪いクルマではないのだけど・・・相手が。

 

3シリーズは追いついた!!

 

その一方でフルモデルチェンジでシャシーまで変わったBMW3シリーズは、一気に重厚感が増しスポーツサルーンからプライベート・リムジンへと脱皮した。アテンザの名称が使われなくなったけど基本設計は変わらないMAZDA6と比べると、NVH、ドアの質感、ディーゼルエンジンの成熟など先代3シリーズ(F30系)から大きな進化が見られ、その差は6年前よりも縮まっている。逆転?かどうかは微妙なところだ。

 

凡作でも手堅く固める能力

 

MAZDA6もブランドのフラッグシップとしては手詰まり感が拭えない。リーマンショック後に赤字になった先代モデルを予定より早く引っ込めて、経営再建を念頭に作られたモデルゆえにMAZDAらしいこだわりがあまり感じられない。それでもデザイン、ディーゼルエンジン、自社製トルコンAT、滑らかなドライブフィール、衝突安全性など、要所でしっかりとポイントを稼ぐ手堅い設計ではある。ちょっと評価が難しいクルマ。社員が認めるようにエンジンマウントの甘さが欠点。

 

 

不運に翻弄され

 

さらに厳しいことを言ってしまえば、カムリやアコードよりも質感の高さで北米市場をひっくり返すつもりが、予定通りにディーゼルエンジンが投入できず北米にハマる「グランドセダン」になれなかったという意味では、不幸ではあるけどMAZDAの戦略的失態。さらに後継モデルが北米市場をターゲットにしたFRの高性能モデルだと発表されているので、ユーザーとしては手が出しにくい。個人タクシーのベース車としては重宝するようで都内で営業車としての活躍が目立つ。ちょうどいいサイズではあるが・・・。

 

優劣が目的ではない

 

日産、テスラ、トヨタ(レクサス)、アウディなどでは自動運転の足音が大きくなってきているけど、MAZDAとビーエムはあくまでドライビングカーを作り続けるだろう。クルマ好きならばこの両ブランドに注目しておけばいいのかもしれない。裏を返せばビーエムとMAZDAをしっかり解釈できているかが、クルマ好きの素養だったり、あるいは自動車ライターの職業上の技能レベルをハッキリと表す指標にもなる。ビーエムのプライドも、MAZDAの努力もどちらも素晴らしいと思う。これからもこの2つのブランドを中心にブログで語って行きたい。

 

 

 

 

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