マウンテン・ゴリラのカーライフ

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中型車13ブランド を日本的な価値観で語ると・・・

もう中型車はいらないですか!?

  北米、欧州、日本で中型車をメインに販売している13ブランド(マツダ、ホンダ、BMWアウディVWジャガー、レクサス、トヨタメルセデス、日産、スバル、ボルボアルファロメオ)は、5年後にはどーなっているのかすらよくわからない変革の時代。まあ中型車を売るのはとっても大変です。ミドルセダンはアメリカでもシェアがどんどん下がっているらしい。

 

大金を払う=当然リスクがある

  前々回のこのブログの投稿で米国と英国のカーメディアが公式に発表している得点を集計して、1位のマツダから13位のアルファロメオまでとりあえずランク付けをしましたけども、それはあくまでブランドの実力が大まかに測定できただけであり、次に買うべきベストな中型車はどれなのか!?の決定打にはならないと思う。作っている側も半信半疑なのだから、買う側はもっと臆病になってしまうよ。

 

中型車は面白い・・・

  情報/指針を求めてカーメディアに頼っても、カムリ100点、ティアナ10点みたいな大味なステマ色が強いレビューが多いから厄介。自分の頭で考えるしかないなー。とりあえず日本市場で正規販売されていてディーラーのサポートが受けられるモデルを対象に、どのブランドのどのモデルが最良なのかを比較検討してみたいと思ったのですが、13ブランドの13モデルを一気に並べて、客観的にベストなジャッジができるとは到底思えないので、予選ラウンド、決勝ラウンドのステージに分けて比較をしてみたいと思います。

 

納得いくまで考えるしかないか

  予選ラウンドは13ブランドを4グループに分けて行います。前々回のカーメディア評価の結果に基づき順位が低い順に各グループに分ける。Aグループ(アルファロメオボルボ、スバル、日産)、Bグループ(メルセデストヨタ、レクサス)、Cグループ(ジャガーVWアウディ)、Dグループ(BMW、ホンダ、マツダ)。予選の各グループのメンバーを見て、ある種のテーマを念頭に置いて、どのクルマを最終的に選ぶのかシュミレートします。

 

底辺グループの実力は!?

  今回はAグループの予選です。エントリーモデルは、『アルファロメオ・ジュリア・ヴェローチェ・右H(587万円)』『ボルボS90T5 (644万円)』『スバルレヴォーグ2.0STI (405万円)』『スカイライン350GT (495万円)』の各車です。このグループのテーマは『中長距離を存分に楽しめるグランドツアラータイプの究極系はどれか!?』です。まあ王道路線ですね。

 

ルール

採点方法・・・5項目各10点で合計50点満点

①走行性能/ファン・・・動的性能が高い、運転が楽しい

②開発/完成度・・・技術レベルで、どれだけ先進的か

③エキップメント・・・乗車時に享受できるホスピタリティ

④格式/モード・・・2台のクルマが出会った時、この数値が優越感を示す(笑)

⑤ストーリー性・・・必然性、存在意義、自動車文化への貢献

 

 

 

アルファロメオ・ジュリア・ヴェローチェ

  イタリア車らしいといえばいいのか!?長所と短所が強烈に凝縮された、やや測定不能な魔力を持ったクルマになった。アルファロメオが狙った「ベスト・ハンドリング・4ドア」という目標は概ね達成しているけれども、どっかのドイツ車と見間違えてしまうようなサイド&リアにフロントマスクの奇抜さがミスマッチしている。どこぞのドイツセダンをどっかのカロッツェリアがフロントマスクだけ加工しました!!ちょっと前にトヨタが販売していたヴェロッサというマーク2の顔を変えたセダンを思い出す。好きな人は好きなのだろうけども、ヴェロッサと同じでトータルデザインという意味では全く評価できない。

 

  このクルマの一番悔やまれるところは、トップグレードのクワドリフォリオ以外は無難に終わらせてしまったエンジンだと思う。フィアット傘下で使われている旧三菱設計のGEMA及びタイガーシャークの2L直4ではなく、わざわざロングストローク化して縦置き専用のユニットとしているようだ。今のところはジュリアとステルビオしか搭載できるクルマがない。FR化による伝達効率の低下を懸念して、『直噴』『ターボ』『VVT』『ロング』・・・某ドイツブランドのエンジンをコピーするのに必死だ。

 

・・・とはいえ、VVTの市販化を最初に行ったのはアルファロメオであり、1980年代になってから三菱、ホンダ、トヨタ。そして2001年にBMWが「バルブトロニック」という商標で使用開始。年代から想像がつくかもしれないけども、BMWがつまらないエンジンばかりを作るようになった年代に符合する。『VVT』も「GTサルーン』もオリジナルはアルファロメオだ!!というストーリー性は、企画段階でかなり確信的なものだったとは思うが、そのニヒリズムは、革新を伴うものではなく結果的に2000年代のBMWのパロディ、あるいは修正主義的なクルマになった。

 

  今後ビーエムとアルファで「GTサルーン」を再興する!!という意思表示。トヨタ、日産、ヒュンダイ/キアのアジア勢でも、キャデラック、ジャガー英語圏でもなく、「GTサルーン」はミラノとミュンヘンを軸としたカトリック圏のものだ!!と高らかに宣言したというのであれば、これはなかなかの企画だと思うけどなー。とにかくアルファロメオの新展開には期待したい。

 

ジュリア・ヴェローチェの採点・・・①走行性能4 ②開発/完成度3 ③エキップメント5 ④格式/モード4 ⑤ストーリー7  合計23

 

ボルボS90T5

  スウェーデンのクルマ作りを守るために中国資本及びトヨタの系列サプライヤーと提携。ボルボ吉利汽車スウェーデン政府、トヨタ系列・・・様々な思惑が絡みあって、トヨタ、ホンダ、VWなどを真似たセコい新生ボルボになりそうなところに、出てきたフルサイズサルーン!!これに世界はちょっとたまげた!!北米、中国、EU、日本といった一流ドイツメーカーでも翻弄されてしまう難局を難なくすり抜けていった!!

 

  どんなクルマが出てくるのだろう!?蓋を開けてみたら、世界でも北米と豪州でしか売ってないような、インパラ、トーラス、マキシマ、アバロンカデンツァ(KIA)に類するモデルをいち早く日本市場に持ってきた。レクサスも間も無くESを日本市場に投入するらしい。北米ではレクサスセダンの売り上げのほとんどはESが稼いでいる。ESの美点はフラッグシップのLSよりも後席のスペースがはるかに広く取れるなど、パッケージングに優れていて、FF車特有の直進安定性に優れるなどメリットが多いこと。

 

  FFの欠点は300ps以上のスペックのエンジンを搭載しづらい点にあるのだけど、今ではFR車の多くが200ps程度なので、同程度のスペックならばFFで設計する方が総合的に優れている。サラリーマンでもなんとか買える比較的に手頃な価格で、セレブリティな車内空間をエンジョイできる。クラウン並みの価格で、クラウン以上のリラクゼーション空間を有するハイエンドなサルーンが日本で正規価格で買えることは事件だ。世界的なセダン販売の不振を自ブランドの復活のチャンスと位置付けている前向きなブランドはもっと評価されるべきだ。

 

 

ボルボS90T5の採点・・・①走行性能4 ②開発/完成度3 ③エキップメント8 

④格式/モード8 ⑤ストーリー6  合計29

 

 

 

スバル・レヴォーグ2.0STI

400万円で至れりつくせりのフル装備。しかもキックダウンで車体を震わせ地面を蹴り上げるような暴力的&刺激的な加速をする。『GTワゴン本流』を絶対に絶やさないようにワゴン専売の新企画モデルとして発売された。1990年代は「ワゴン最速」をアピールしていたスバルの伝統を、ブランドのコアに据える!!という判断は間違っていなかったと思う。もしメルセデスBMWのようなクーペルックなSUVや、ハッチバックスタイルの5ドアクーペをスバルが積極的に手がけていたら、悲惨なことになっていただろう。

 

発売以来コンスタントに日本で2000〜4000台/月くらい売れた。日産やホンダが喉から手が出るほど欲しい日本のまとまった寮の「中型車シェア」をスバルがあっさり取った。つまりレヴォーグは大成功だった。ホンダは慌ててシビックを投入したけども、日産にはスカイラインの下の車格には、特段優れたモデルがないからなー。

 

レヴォーグを通じてストイックなスバルの姿勢には予想を超える熱い支持が集まった。『最速ワゴン』『AWDターボ』のコアな伝統を軸に、上品なデザインに、縦置き水平対抗に、FRに近いトルク配分が可能な新鋭のAWDシステムを投入。2013年FMC段階で、300〜400万円前後のモデルとしては、かなりの手数が入ったクルマになっている。そりゃ売れるよなー。開発者の情熱が肌で感じられるモデルだからさ。

 

スバルはすでに新型シャシーへ移行したけども、そこでは欧州車を完全に超えるレベルの動的質感を追求した!!と高らかに勝利予告をしている。このレヴォーグとWRXに搭載されたリア優勢AWDシステムを軸に、スーパースポーツ級の戦闘力を発揮するかつてない領域のスバルが、次期レヴォーグ以降では現実のものになるのだろう。スバル車が常に世界一を視野に入れて作られるようになるキッカケという意味で歴史的な1台になった。

 

レヴォーグ2.0STIの採点・・・①走行性能6 ②開発/完成度5 ③エキップメント5

④格式/モード3 ⑤ストーリー7  合計26

 

 

 

日産スカイライン350GT

  ちょっとややこしい話だけどさ、「スカイライン」は車名ではない。スカイラインは「固有名詞」に分類されるだろうけども、それは「車名」というよりは「プロジェクト名」「シリーズ名」といった方が適切だ。スカイラインとは、R32やV35のように特定の時点での「仕様」限定的に示す名称ではなく、半世紀にわたりプリンス及び日産自動車によって行われてきた、市販向け高性能車の開発プロジェクトのコード名を示す言葉だ。・・・スカイライン=進化であり、スカイライン=R32ではない。R34でもない。

 

  「スカイライン」とは「911」や「シビック」といった、常に世界をリードするための必要な基幹技術の連続的な変化を示す非常に「流動的」「動的」な名称だ。一見同じような名称に思える「Sクラス」「クラウン」「カローラ」といったプロジェクトは、その中身は、同じブランドの別のモデルとシンクロした技術革新に埋没した存在に過ぎないので、そのメーカーの横断的な技術を、あたかも「別物」であるかのように誤認させたがる「言葉遊び」に過ぎない。

 

  V37スカイラインはアンチが多い。日産のマーケット戦略がなにぶんに恣意的で挑発的な部分があることへの反発は理解できるけども、V35以降のスカイラインに対する攻撃的な姿勢に関してはアンチは大きな誤解をしている(と思う)。それは『スカイライン』というコード名そのものに、日産のその他のプロジェクトと意図的に接点を持つことを避け、2018年の今でも非常にメーカー内で『閉鎖的な開発』をしているという意味では、32、35、37のいずれの時期も同じであり全くブレていない。35や37も実に意欲的な進化が盛り込まれているという意味で紛れもなく「スカイライン」なのだけども、アンチの頭の中には32をイメージさせる車名に矮小化されている。

 

  失礼を承知で言ってしまうと、アンチは認知能力が絶望的に未発達だ。『RB26』『アテーサ』『VQ』『4WS』『ステアバイワイア』『VR30DETT』といった最先端技術を臨床/実装するために、スカイラインが存在している、日産が存続させている・・・という側面が全く理解できていない。清水和夫というライターがステアバイワイアを試して「こんなの売っちゃダメだよ!!」とか動画レビューで吠えていた。このオッサンも現場近くで仕事しているはずなのに何もわかってないのかもしれない。アウディBMWも本音で言わせてもらえば「こんなの売っちゃダメだよ!!」な電制ステアの仕上がりなんだが・・・。

 

  その機能にどれだけの実効性があるかどうか!?あらゆる新技術ってのは臨床的な機会が十分に提供されるべきなのだろうけども、営利目的な自動車メーカーにとって研究開発費だけではできることは限られる。どの日本メーカーもバブルの頃のような予算は付かないから、しばしばクルマが「つまらない」と感じてしまう。32、35のどちらも手がけた開発者は、その著書でどちらも「閉鎖的」な場所で、社内からは窓際族と見下されながらも、自分でも信じられないくらいの仕事量とアイディアによって全ての結果を変えた!!と豪語している。

 

  日本の5大企業(トヨタ、ホンダ、日本郵政、日産、NTT)に数えられる日産の体力をもってしても、世界を変える技術革新を導き出すのは難しい。それを可能にするのは水野和敏のような才能に恵まれた「カーガイ」と、ファン/マニアを集結させる舞台装置としての「スカイライン」だ。アンチってのは、こんな簡単な理屈すら全く理解していないのに・・・・、のに!!余計なことを言ってしまう連中だ。清水和夫には、ステアバイワイアに疑問があるなら「スカイライン」ではなく「フーガ」を買えばいい!!たったそれだけの見識すらないのだと思う。

 

  他社はおろか日産の他のモデルにも全く導入されていない技術を、フルモデルチェンジとともに世界へ発信するクルマの総称が『スカイライン』だ。全ての日産ラインナップがプラットフォーム、エンジン、ミッション、ステアリングシステムを画一的に整理したならば、スカイラインという名前は自然と淘汰されるだろう。アンチが乗っている「アテンザ」「レガシィ」「3シリーズ」「Cクラス」といったと名称はどれも形骸化した。現行モデルに置いては、舞台装置としての機能は全く持っていない。あるのは営利主義とメーカーに横断的な画一的設計だけだ。スカイラインディスる前に自分が選んでいるクルマの現実を見るべきだ・・・。

 

 

 

スカイライン350GTの採点・・・①走行性能8 ②開発/完成度6 ③エキップメント6

④格式/モード6 ⑤ストーリー7  合計33

 

 

結果発表

1st   日産スカイライン350GT 33点

2nd ボルボS90T5 29点

3rd  スバル・レヴォーグ2.0STI 26点

4th アルファロメオ・ジュリア・ヴェローチェ 23点

 

何のサプライズも起きず。「ハンドリングだったらジュリアが1番!!」・・・かもしれないけどさ、多分そうだろうけどさ、ハンドリングを追求したいならば、もっと「軽い」クルマを選べばいいんじゃね!?まあ4位とはいえ、1〜3位と比べちゃいけないレベル!!なんてことは全くないですし、開発者の温もりも、BMWを憂う気持ちも存分に感じるし、感極まった人は、喜んでお金を出せるクルマだと思います。やっぱり中型車っていいよなー・・・ハズレがない(あまりない)。

 

 

 

「ユニュウシャしか興味ないヤツ・ホンモノしか興味ないヤツ」

 

 

 

 

 

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