何かが変わりつつある・・・
このオレンジは何を意味しているのだろーか!?日本の自動車ライターを存分に唸らせているらしい新型メガーヌ・ルノー・スポールは440万円だそーです。話題沸騰のA110の軽いボデーをかっ飛ばす日産の1.8Lターボは、ドイツ勢が全く近寄れないレベルの279ps/6000rpmです!!日産ターボはすごいなー!!VRもVCも・・・それからメガーヌGTのMR16DDTもそうですけど、直噴ターボで5600rpmや6000rpmでピークがくる高回転ユニットを500万円以下のモデルにどんどん積んでくる。その気になればいつでもホ○ダくらい叩き潰せますよ!!という示威表明のようだ。そーいえばメルセデスCクラスの新しいユニットM264は1.5Lも2.0LもISG付きで5800rpmだそーだ。もうガソリンターボをバカにできなくなってきたなー。
メカ好きならtypeRよりRS!?
メガーヌRSは先代モデルよりも排気量は200cc下がったものの出力はほぼそのまま。すでに先代のユニットでFF量販車の限界付近に差し掛かっていたので、さらなる高回転化(先代は280ps/5500rpm)でスポーティな演出をするならば、排気量を下げないとかなりヤバいクルマになってしまうってことなんだと思う。それにしてもいよいよ400万円を超えてきましたー。リアがトーションビームで直4ターボユニットを積んだ欧州でごく普通に普及してそーなモデルが440万円ってのはちょっと強気過ぎる。もちろん根拠は色々あるみたいだ。とりあえず4コントロールでかなりピーキーになったハンドリングが楽しめる!!とかいう企画に思わずお金出しちゃう変態は結構多そうだ・・・ポルシェやマツダ周辺からハンドリング病患者どもがゾロゾロと乗り換える!?
決定打はないのか!?
F1でもエンジンサプライヤーとして対峙しているルノーとホンダ。メガーヌRS440万円とシビックtypeR450万円・・・どちらも手軽にエンスーの仲間入りを果たせるし、どちらも魅力的だなー。決定的な違いを指摘するならば、MTとEDC(ゲトラグ製DCT)の選択と、リアサスがマルチリンクかトーションビームの違い。ミッションは好みの問題かも。そしてサスはこれまでの通念だと200〜300万円くらいの実用車を選ぶならば高速道路での安定性を重視してマルチリンクを選びたくなるだろーな。
1980年代の考え方
メルセデスが自慢のグランドツアラー性を最大限に引き出すために1980年に採用して以来、信頼と実績で広く普及してきました。そもそもは生意気なBMWをぶっ潰すべく投入された初代Cクラスに採用されたわけですが、天下のメルセデスが初採用したマルチリンクは、たちまちバブルに突入した日本メーカーによって、無謀にも格下のCセグにも採用されます。さらに1998年には、傘下の日本メーカーのサス技術をそのまま接収したと思われる初代フォーカスが発売されると、欧州市場でたちまちトップシェアを獲得。これに慌てたドイツのトップメーカーもすぐさまCセグで採用します。
シビックの軌跡
初代以来シビックを高性能車として開発してきたホンダは、4輪独立懸架式サスをホンダのこだわりとしていて、リアには長年ダブルウィッシュボーンを使っていましたが2000年の中国WTO加盟ショック以降に、リアをトーションビームに変えます。とりあえず『走り』ではなく『生産効率』を追求しないと、周囲のM&Aゲームから距離を置いていたホンダにとっては死活問題になりかねない状況。目の前にはトヨタ以外の経営がガタガタになった日本メーカーが死屍累々でしたから・・・苦渋の選択だったのだと思います。
VWは何をしたのか!?
10世代目となる現行シビックで、車体の大型化により再びマルチリンクに復帰。Cセグのリアサスは独立懸架式のダブルウィッシュボーンかマルチリンクであるべき!!という大同団結?でドイツメーカーとホンダ・・・そしてトヨタも全てのトヨタ設計モデルからトーションビームを追放すると宣言!!これで完全にサスペンションに関する趨勢は決まったようにも見えますが、2013年に日本で発売された現行のVWゴルフは、低出力の主力のグレードでトレーリングアーム式というアームと軸受けが剛性結合したタイプの実質的にトーションビームと変わらないサスを採用してきました。
コストダウン=性能低下・・・ではない
トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、メルセデス、BMWといった日本やドイツを代表するメーカーが揃ってマルチリンクかDWBを採用する中で、公社的なカラーが強いVWとルノー(日産)の量販車はトーションビームを使いたがる。この構図だけを見ていると、コストダウン策!?という結論がすんなり出そうですが、ここにちょっと異論を挟みこむモデルチェンジを敢行したのが現行のホンダ・オデッセイです。新たにフラッグシップミニバンとして再出発することになり、スライドドアを配備しトヨタのミニバンに匹敵するパッケージ効率を追求するために、先代までの自慢の4輪DWBを廃止してスペース確保を優先します。
オデッセイとゴルフは同じ構造!?
しかし操縦安定性とハンドリングの良さを絶対的に維持するためにトーションビームになったリアサスに系列のショーワ製ではないダンパーを採用。これまでホンダのメカ的に優れたサスペンション機構に合ったダンパーを作ってきたショーワではなく、VWと組んですでにトーションビームで結果を出しているドイツZF製(いわゆるザックス製です!!)のダンパーを採用して、あっさりとミニバンとしては感動の領域と言える乗り味を実現しました。系列サプライヤーと二人三脚でこれまでになかったもんをとことん開発することが持ち味だったホンダが、ビジネススピード重視の経営に変わった!?ホンダはマニアックに高性能を追求することで、これまで世界から尊敬されていたのに、他社と同じ戦略を、サプライヤー主導とはいえ手軽に欲しい性能を手に入れるというやり方を、天国の創業者は一体どう見ているのだろうか!?
HCCという新機構
さてマルチリンクがトーションビームよりも、絶対的な性能で上回るのはおそらく間違いないと思いますが、メガーヌRSのように見るからに特別仕様のショックアブソーバーを配置するようなモデルであれば、あえてトーションビームを選ぶことで、その設計側の力量を楽しむこともできるんじゃないかと思われます。ちなみに搭載されているダンパーはKYB製のセンサー式可変ダンパーをベースにハイドロリックコンプレッションコントロール(HCC)という特殊な流体サスを仕込んであるものらしい。素人には全貌はわからないけども、このHCCをマルチリンク車に仕込んでしまったら効果は半減するんじゃないの!?
ザックス と KYB
VWやホンダがトーションビームと組み合わせて使ったザックス製ダンパーを、わざわざDWBと組み合わせてドヤ顔しているトヨタ(宝の持ち腐れ!?)。それはさておき、メーカー側に簡易なサス形式でも十分な性能を保証する、ショックアブソーバーのサプライヤーが仕組んだサスペンション革命ってのが、現在遂行中!?一定の範囲内に車重や出力が収まるならば、次世代型の特殊ダンパーの登場によりサス形式の常識を覆すことができるようになってきたのでは!? 最初はザックスが仕掛けてきましたが、それをものすごい勢いで追いかけてきたのが日本のKYBみたいです。
トヨタの暴走にお灸を据えろ!!
ザックス製ダンパー採用を大々的に盛り上げるため、K沢という国内カーメディア最狂のプロパガンダ・プロモーターに依頼した!?トヨタ・・・。この仕打ちに対して国内最大手で零戦の油圧部品も作っていた老舗サプライヤーであるKYBはもしかしたら完全に怒ってるのかな!? 顔に泥を塗ったトヨタに復讐すべく、ルノー日産、PSAのトーションビーム車を担当して研究データを集め、いよいよ本格的なサス革命を仕掛けているのかもしれない。そして・・・その決定版となるのが来年発売の新型アクセラなのでは!?すでにトーションビームの採用を公表済みです。サスペンションにかけては世界一を自負するマツダ(2002年頃はハッキリ宣言していた!!)の影でKYBが暗躍していると見て間違いなさそうだ。
「国沢光宏氏がザックス!!を連日のように熱弁しておられ・・・」
【試乗インプレ】ルノーの新型「メガーヌ ルノー・スポール」、絶妙な俊敏さと安定性のバランス / 5ドアで2ペダル、シャシースポールというスペックからルノーの意地を見た - Car Watch https://t.co/rve0oTYZAp @car_watchさんから
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年9月26日