マウンテン・ゴリラのカーライフ

最高に面白いクルマのブログを作りたい!!(もちろん全編フィクションです)

トヨタは「ブランド」なのか!?

トヨタに乗る意味を考える

「ブランド」という言葉の定義もやや曖昧なところがあって、その解釈にあまり自信もないのだけど、今回は「ずっと使い続けたい&買い続けたい」商品を生み出す「職能クラフト・ワークス的な付加価値」という意味で使う。

 

まずは服について

アパレル企業のユナイテッドアローズファイブフォックスは、クオリティ別に分けた複数のブランド名を使い分けているけど、「ビューティー&ユース・ユナイテッドアローズ」であっても「コーエン」であっても、クオリティは安定していて、アマゾンなどでも割とイメージ通りの商品が届くこともあり、手軽に選べる価格のブランドの中でも格別な「信頼感」がある。ファイブフォックスの手掛ける「コムサ・メン」や「コムサイズム」においても同じことが言える。これらの「ブランド」は、ユニクロしまむらのような過度の廉価商品を避けて「良いもの」「イメージに合ったもの」を身に付けたい人にとってはこれからもありがたい存在であり続ける。

 

 

身の丈でカッコよく

ジョルジュ・アルマーニプラダで1着50万円のスーツを買うのもいいかもしれないけど、2週間分くらいの仕事着や外出着をその水準で揃えるのはちょっとシンドイ。秋冬用と春夏用の各12着のスーツだけで1000万円・・・。よっぽどの大金持ちでもない限りは、その5分の1以下の予算でコート5枚&靴10足くらいまで賄うコスト感覚が健全だ。何が言いたいかというと、ロールスロイスフェラーリなどの超高級ブランドではなく、より日常的に使えて無理なく所有できるクルマの中でも、積極的に選びたくなる自動車メーカーを信頼という意味で本物の「ブランド」と定義したいってことだ。周囲から「オシャレ」だと言ってもらえて、過度の負担がなく使っている自分自身が最高に満足できるクオリティの「ブランド」に出会えるかどうかは人生の豊かさを大きく左右するファクターだと思う。

 

レクサスの顧客

トヨタには「レクサス」という上位ブランドがある。日本市場での新車乗り出し価格はボトムモデルでも400万円前後で、だいたい世帯年収で1200万円以上のユーザーをターゲットにしている。今となっては乗り出し400万円前後のモデルは、トヨタ、日産、ホンダ、MAZDA、スバルでも珍しくないけども、それらのブランドではかなり上位のモデルが買えるのに対して、レクサスでは400万円くらいだと、せいぜい2ndカー需要か、リタイア世代向けの「ダウンサイジングモデル」くらいしか買えない。ゆえにバリバリ働いている年代でアンダー2000万円クラスの「優秀な人」でもレクサスのメイン顧客になるにはやや敷居が高い。現実には開業医や個人事業主あるいは法人オーナーが多いのだとか・・・。

 

世田谷区は貧乏!?

世界でも日本でも「格差の拡大」が統計上で示されている。シンガポール、香港、カタール、東京都港区などのアジアの資本集積地では平均年収は1200万円を超えるが、これがわずか20kmほど離れた東京都世田谷区、杉並区、練馬区だと500万円を下回るらしい。レクサスやポルシェに乗るなら金持ちが多い港区は避けて、庶民の多い世田谷区界隈を走ると目立って満足感が得られる!? 高級車を買っても気分良くなれないなんて人生の時間とお金の無駄以外の何者でもない。そりゃクルマに興味をなくす人が増えるのも仕方がないな・・・。

 

価値の転換・ブランド崩壊

そんなことに自動車メーカーも徐々に気がついてきたらしい。かつてはレクサス以上のステータスを誇っていたメルセデスBMWも「無印」(AMGやMでないもの)では、日本車のユーザーにすら簡単にマウント取られてしまうくらいまで成り下がった。新古車価格が全てを物語っている。ずっと前からBMWメルセデスのブランドボトム車の実勢価格はホンダN-BOX(Kカー!!)と同等。当然の流れではあるけどいよいよBMWジャパンも「Mモデル」や「アルピナ」こそが本物だ!!とまで言いだした・・・。確かに「M」や「アルピナ」はエンジンは特殊鍛造、シャシーは溶接増し、サスやミッションも専用設計・専用チューンが施され、全ジャンルの高性能車・高級車ファンから賞賛を受ける「完成度」で1000万円台ならコスパ抜群と言えるかも・・・。(注・全てのMモデルがこれに当てはまる訳ではない)

 

やはり身の丈か・・・

Mモデルは確かに素晴らしい。しかしそれは「50万円のスーツ」だ。街中のコインパーキングに半日も止めておくことができるだろうか!?自宅の青空駐車場で保管するわけにもいかない。その価値を全くもって否定する気はないけども、多くの人がクルマを通じて価値観を共有したり、新しいライフスタイルが生まれてきたり・・・といった一般的にクルマを所有することでイメージする人生への好影響とは、やや違う着地点になっている。そりゃ豪快にSNSやユーチューブで「エンスー」を演じたいのであれば、色々と都合が良い点もあるだろうけど、不必要に繋がりを求めないナチュラルなカーライフと家族関係の両立を考えると、多くの人にとっては「視界に入らない存在」になっているかもしれない。

 

SNS映えのクルマ需要・・・

イタリア製のスーパーカーが都内では当たり前にレンタカーやカーシェアリングされている。なんでそんな使いにくいクルマにレンタル需要があるのだろうか!?その背景にある「SNSカーシェアリング」を考えただけでちょっと複雑な気分になる。「クルマは撮影に使うもの」と割り切ってる人はもちろん個人の自由だけどさ、「クルマ好き」という観点では完全に軽蔑意識を持ってしまう。半世紀以上にわたって国内外の自動車メーカーが試行錯誤してクルマを作り続け、そのドライビングフィールに感動した多くのユーザーがその価値を声高に叫んできた・・・そんな情熱の長年の積み重なりが「クルマ文化」だったけどさ、日本ではすっかり軽薄なSNS文化とクルマの価値を理解できないアホなオッサン(ヤフコメでMAZDAを批判している連中?)や、くだらないレビューしか書けないAJAJの評論家連中によってすっかり破壊されてしまった。トヨタも日産もマツダもスポーツモデルは北米向けで作るのも当然だ・・・。

 

ネットの嫌なところ

クルマを外観や価格だけで判断する人や、SNSありきの「虚構」に生きることに全く違和感を伴わない人に「MAZDAの素晴らしさ」をいくら熱弁しても無駄だろう。ネットはあらゆる意味で「虚構」を作り出しているけど、例えば問題を起こした芸能人に対して「こいつはもうテレビで見たくない!!」とヤフコメで必死でマウント取って喜んでいるような人とは、リアルな人生はもちろんバーチャルなネット空間でも絶対に関わり合いたくない・・・ヤフコメにゴミな発言を書くな。意見するなら自前のメディアで書け!!

 

客観的に自分を見る「悩み」

第五世代のMAZDA車のエキサイティングな運転感覚に感動してブログを書き始め、これまで他社のクルマにもたくさん乗ってきた。同じ時期にトヨタはレクサスを日本に導入したけども、アメリカ式の自動車ビジネスにおける「プレミアムブランド」は、そのまま日本社会で額面通りの幸せなカーライフには繋がりにくいかな!?と思う。両親よりも良いクルマに乗って良いものだろうか!?という「謙虚」な悩みから、ミーハーと思われたくないという「自愛」な悩みまで・・・気になりだしたらキリがない。第六・七世代のMAZDAが日本市場で好調に売れているのは、これらのゴリゴリなプレミアムブランドに距離を取りたくなる「悩み」を気にしなくていいと感じる人が多いからだと思っている。

 

多様化するクルマ趣味

「レクサス」、「 MAZDA」はそれぞれにロイヤリティ溢れる顧客を獲得しているようで、現状では予想以上に上級モデルがよく売れている。ブランド内の全モデルの作り込み具合や、良いクルマに見せる演出に関しては、この両ブランドが他の日本メーカーを圧倒しているように感じる。しかしそれは高級車好きやMAZDA好きの見立てに過ぎない。自動車雑誌では否定的に語られやすいスライドドアのミニバンの「機能性の高さ」を評価するユーザーだっている。そしてそんな賢明な彼らの中では逆に「トヨタ」こそが唯一無二の存在だったりする。ミニバンユーザーは決して「虚構」などではない。好みは違うかもしれないけど、素晴らしいカーライフを築いていると言っていい。

 

 

スーパーカーへの幻想

スバルやトヨタWRCのワークスモデルに近いラリーマシンを市販すれば、その価格はフェラーリの一般的な価格(3000〜4000万円)くらい軽く超えていくだろうし、それらの量販メーカーが本気を出せば、フェラーリの年間販売台数8000台すら追い抜くことも可能かもしれない。過去にはそんなこともあった。初代NSXを発売した時に、ホンダの幹部は「フェラーリは骨董品」だと敬意を欠いた発言をした(以来HONDAは欧州で総スカン)。確かにホンダ幹部が言うように30年前の段階ですでにフェラーリは「懐疑」な存在だった。フェラーリがモデルチェンジのたびに、トヨタやホンダの期限切れの特許技術を使い回す姿勢は、クルマを作る側の人間から見ればすでに「シラけた」存在だったのだろう。

 

ユーチューブの自動車動画には絶望が溢れている

素人が自動車を語るユーチューブはたくさんあるけど、動画の作り手には視聴者を欺くような作り込みの「偽善」が、コメントで意味不明な反応している視聴者層にはリアルなクルマ文化との距離からくる「無知」がひたすらに漂っている気がする。コメントを見るのは楽しいけど、やはり本当にクルマが好きな人には耐えられない空間であったりもする。「良いクルマ」を作っているメーカーをストイックに結論してしまえば「ポルシェとマツダ以外は要らない」くらいに落ち着くのだろうけど、そんなガチな「観念論」はユーチューブ(大衆)ではウケないらしい。

 

ネットによってユーザーの判断は純化してきた!?

「ブランド」とは 「大衆との差別化」を意図した企画ビジネスである。ポルシェとポルシェ以外を決定的に分断する「何か」をユーザーに知らしめて畏敬の念を抱かせる。2020年現在の日本の自動車市場には、ややポジティブな空気が流れている。ポルシェは絶好調だし、マツダは多くの批判を意に介さずに独創的なクルマでシェアを伸ばしつつある。この10年くらいのネットによるクルマの情報の交換によって、あらゆるメーカーの「偽善」だったり、日本市場「軽視」の姿勢は、予想以上のユーザー離れを引き起こすようになった。メルセデスVWアウディBMW、日産、三菱、スバルなどが大きく割りを喰い、ポルシェ、マツダに加えてトヨタ、レクサス、ジープ、MINI、プジョールノーは伸びている。

 

ヌルいブランド

ポルシェ、マツダ、MINI、レクサスのようなわかりやすい「ブランド力」に対して、自社の製品が響くユーザー層を上手く捕まえている印象があるのがトヨタジープ、プジョールノー。これら4つのブランドは「手頃な価格」なのに、なんだか気になるクルマを作ってくる。決してスポーツカーなどではなく、ごくごく汎用レベルのスペックにも関わらず、どこかで所有する喜びをくすぐってくる。「ポルシェとマツダ以外はいらない」とか粋がっているマニアにしてみれば、全てのモデルが「却下」なんだろうけど、さっきも書いたけどクルマ作りのベクトルは様々な方向に向いている。

 

人の価値観

ジープ、プジョールノーは手頃な輸入車としてバブル世代に人気らしい。大手サイトのユーザーレビューには「肩肘張らずに乗れる気軽さ」「こだわりを満足させてくれるセンスの良さ」そんな言葉が並ぶ。エンジンとかミッションとか衝突安全基準とか・・・そんなのいちいち気にしないけど、他人からオシャレに見られたい。「ファッション」だか「家電」の感覚をそのままクルマに持ち込んでいる感じだ。これもクルマ趣味の多様化なんだろうな。これらのフワフワした「ブランド」が嫌ならばポルシェやマツダを買えばいいだけだ。ホンダやMINIでもいいけど・・・。

 

趣味性を削ぎ落とす・・・

トヨタは「ブランド」として日本で一番多くのユーザーを獲得している。多くのユーザーは信頼して買っている。マツダやポルシェの見地からそれが「クルマ」と言えるのか疑問はあるけども、「家電カー」なる新たなフワフワしたジャンルが日本の自動車需要の中心になってきているのかもしれない。ここ数年ですっかりトヨタこそが最強だと崇め奉るようになった「ベスト・家電カー」「家電カー・グラフィック」「家電カー・トップ」「家電カー・マガジン」「家電カー&SNS大好き」といった自動車メディアにカネを払う人はどんどん減るだろうが・・・。

 

大人のオトコとは・・・

クールでカッコいい大人の男とは、「知性」「財力」「ルックス」「ライフスタイル」の4つを徹底的に充実させることを目的に生きている。「ベスト・家電カー」など読んでいる段階で、「知性」と「ライフスタイル」は底辺レベルまでひたすらに下がるだろう。そして「財力」や「ルックス」の向上に結びつくことなんて何一つない。「ト◯タいいよね」「ユ◯クロいいよね」とあらゆる媒体で叫んでいる人々は本当にクールでカッコいいだろうか・・・。

 

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