マウンテン・ゴリラのカーライフ

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トヨタに喧嘩売られるも、余裕で跳ね返したMAZDA・CX-5

 

MAZDAの新モデルが発表された!!

いよいよMAZDAが来年(2022年)から生産を開始するモデルに関しての発表があった。CX-50、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90と5車種もSUVが増えるらしいが、日本&欧州向けは、60と80の2車種のみで、前々から示唆はあったけどやはり現行CX-5は当面は併売されるらしいので、1車種増える勘定。第五世代のCD3シャシーを改良して使い続けていたCX-8は、さすがにCX-80との置き換えになるようだ。CX-50は北米向けで第7世代のスモールシャシー(MAZDA3、CX-30のもの)とのこと。FRのラージシャシーは国内(防府)で一括生産し、スモールシャシーは中国(長安、一汽)、タイ、メキシコ、ロシア、ベトナム、マレーシアに新たに米国(トヨタ合弁)といった拠点生産になる見込み。

 

 

CX-5は現役続行!!

電動化という選択肢を持たない第六世代のCX-5は、2012年の初代発売から10年が経過するが、人気に翳りは全く見えず、グローバルで年50万台を売り続けている。MAZDAがあまり得意ではない北米市場においても2020年の車種別ベスト25の中にCX-5が唯一のMAZDA車としてランクインした。他の24台は全て北米ビッグ3と日本三大メーカー、そして85%アメリカ企業となっているスバルの7グループによって占められている。ヒュンダイ&キア、VWメルセデスBMW、テスラといったMAZDAと同等以上の販売台数を誇る他のライバルメーカーのどのモデルよりもCX-5は売れた。

 

 

 

なぜ他のメーカーのSUVはパッとしないの!?

RAV4とCR-Vのグローバル販売は、CX-5のそれを大きく上回るが、市場ごとにサイズを変えて作っていてそれの合算なので厳密な意味での単一モデルの販売台数とは言えない。北米向けに設計されたものをリサイズしたクルマは、著しくデザインのバランス感覚を欠くことが多く、日本向けRAV4もCR-Vもその傾向が見られる。普段からサイズ感がおかしいスーツを着ているような人には、それほど気にならないのだろうけど、一目見てちょっとヤバいと感じる人は結構多いものだ・・・。

 

 

MAZDAが美しい理由

MAZDA車が美しく見えるのは、造形や塗装ももちろんだけど、トヨタ、ホンダ、日産、スバルとは違って「サイズ感」を心得たボデーを作るからだ。狭いと言って批判する人もいるけど、そう感じるなら1サイズ上のモデルを選べば良いのでは!?とりあえずCX-5とMAZDA6ならば2列が狭いと感じることはないはず。両親が定年して時々後ろのシートに乗せてどこかに連れていく機会が増えた時に、MAZDAを初めて買った(2012年最終ロット近くのGHアテンザ)が、後席もリラックスできる2列シート車を作らせたらMAZDAが一番上手いのではと思う。トヨタ、ホンダ、日産、スバルでは北米向けのセダン&SUVが日本向けにリサイズされて充当されるけど、前述の理由でデザインも微妙だし車体が大きくなってしまう。

 

 

 

非電動モデルはどう生きる!?

MAZDA車にしては異例のセールスで、開発費の回収もかなり捗っているCX-5は、当然だけど年次改良での進化の幅も他のモデルに比べて大きい。これだけグローバルで捌けてしまったのだから、エンジンラインナップもかつてないほどに多くなっていて、2.5Lガソリンターボも日本市場に投入されている。それでもRAV4、ハリアーCR-V、エクストレイル、フォレスターなど他社モデルが全て電動モデルを用意しているのに対して、多くのパワーユニットこそあっても1つも電動化されていない。MAZDAの第七世代モデルは全て電動モデルが用意されているが、CX−5はこのまま2022年以降も突き進むようだ。

 

 

SUVにおけるハイブリッド化の意味

車重1300kg台にシェイプされたトヨタのTHS搭載モデルであれば20km/L以上の実燃費が期待できるので電動化のメリットはわかりやすいが、AWD化されたミドルSUVだとエンジンのみのモデルでも1800kg程度あり、ディーゼルや電動モデルになるとさらに100kg以上も重くなる。同じく重量が嵩むミニバンでもTHS搭載モデルがあるけど、とても20km/Lといった実燃費は達成できない。実際のところ高い車両価格を厭わずRAV4、ハリアーCR-VのHVモデルを選ぶユーザーの多くは「燃費」ではなく、立ち上がりの「加速」のスムーズさに魅力を感じている。

 

 

 

本末転倒

トヨタやホンダは国内向けモデルのほとんどで、トルク容量に制限があるCVTを用いている。SUVをスムーズに走らせるにはディーゼルだったり、より排気量の大きなガソリンエンジンの搭載が望ましいのだけど、カローラシビックで使われるユニットと同等のものしか使えない。MAZDAとの決定的な差である。厳しいことを言ってしまうと、トヨタ、ホンダ、日産、スバルの4社はCVTがベースなので、電動化するより他にスムーズに走らせる選択肢がない。CVTを使いたいが為にHVで帳尻を合わせる。そんな開発姿勢が少々疑問だ。さてMAZDAのCX-60には欧州の規制に即してPHEVが登場するらしいが、そこにはMAZDAらしい「もっとも」な理由がどんな形で入っているのだろうか!?ちなみに北米向けMAZDAサイトではMX-30のPHEV(ロータリーエクステンダー)の発売が2022年秋だと予告されている。

 

 

なぜ日本向けRAV4は安いのか!?

開発費の償却が進んでいるCX-5だけに、価格弾力性は高いはずで、2019年4月のRAV4の日本投入時には「後出しジャンケン」を行なった。予想はされていたがトヨタ得意のスーパーダンピングでRAV4のボトムグレードの価格は250万円を切っていた。RAV4発表から1週間後にその年の夏頃に発売するCX-5の大幅年次改良モデルの価格が慌てて発表された。明らかにRAV4の価格を見てから慌てて改訂した様子で、グレード間の価格差がかなりわかりにくくゴチャゴチャしたものになった。アメリカ向けも日本で生産しているCX-5と、現地生産のRAV4なので単純比較はできないが、1ドル=110円だとすると、RAV4は日本価格が安く、CX-5はアメリカ価格が安い。搭載エンジンを考慮しても日本向けRAV4は何らかの意図が働いた価格であることは間違いない。

 

 

 

素材の良さ

先代ハリアーがやや後手を踏み、日本市場であってもトヨタらしい強さを見せることはできず、ミドルSUV市場に出遅れたという判断から日本凱旋のRAV4は「戦略価格」で登場した。日本人の購買力を見切ったという可能性も高い。それに対して日本向けに強気な価格設定を続けつつも、大手メーカー以上に飛び道具が出てくるので、それほど割高感はないMAZDA。良いクルマを作れば日本のユーザーは買ってくれる。逆に足元を見たような「見切り」開発車など見向きもされなくなる。カーシェアリングではなく、所有する喜びを主張できるクルマ作りが大事。それを見事に体現しているのが、皮肉なことに「非電動」のみのCX-5だったりする・・・。