マウンテン・ゴリラのカーライフ

最高に面白いクルマのブログを作りたい!!(もちろん全編フィクションです)

「SUVはもういらない」と言う人は・・・

 

SUVが最量販

トヨタはヤリスクロス&ライズ、スバルはXV、MAZDAはCX-5が最量販モデルになっている。まだまだホンダだとフィット、日産だとノートが君臨しているが、グローバルではCR-Vとエクストレイルの販売が群を抜いている。国内市場もそれぞれヴェゼルとアリアが次世代のエースと位置づけられている。ユーザーも求めていて、メーカーもゴリ押し・・・双方の利害が一致する唯一のジャンルといっていいかも。自動車産業を支えるとても貴重でホットな関係。

 

 

貴族の乗り物!?

スポーツ・ユーティリティービークル略してSUVなので、ランクルジムニーのようなクロカンをイメージして選ぶクルマとはちょっと違う。沢村慎太朗さんが鬼の首をとったように書いていたけど、イギリスの貴族は平日のフォーマルなクルマと、週末のクルマ(ランドローバー)を使い分けてきたというまことしやかな話は「眉唾」だとか。旧来のランドローバーは決して貴族のクルマなどではなく、そもそも軍用車両であり、民生用もより庶民的で牧歌的なクルマであったとイギリスの高齢者から証言を得たらしい。イギリスの貴族の習慣なんてこの際どーでもいいのだけど、沢村さんが主張するには、不幸にもそんな間違った理解からSUVは上流階級向けというマーケティングが生まれてしまったらしい。

 

 

 

サラリーマンには手が出ない

X3が675万円〜、GLCが597万円〜、次世代のEGCが895万円〜。レクサスはともかく、メルセデスBMWアウディといった上流志向のブランドのSUV価格は、ユーザーの経済力を徹底的に試している。ガチの金持ちならどーってことはないだろうけど、明日の身の振り方も不明な日本の新中間層(エリートサラリーマン&公務員)には、なかなか手が出ないかも。思い切って買ってみたところで、駐車場などで隣にX5、GLEがやってくるとちょっと後悔してしまうかもしれない。東京都で23区から遠く離れたエリアでもフラッグシップのX7やGLSがウロウロしているのだから、名門ブランドのSUVは中途半端な憧れでは全く歯がたたないくらいにとにかくハードルが高い。そしてそんなSUVヒエラルキーは「茶番」だと沢村さんは仰っている。

 

 

微妙に違うニュアンス

SUVに「上流階級ベクトル」があったなんて初めて知ったという人もいるかもしれない。しかしトヨタ、スバル、MAZDAで最量販モデルになっているSUVにはそんな意識はあまりない。気軽に使えるから最量販モデルなわけだ。トヨタはBセグ、スバルはCセグ、MAZDAはDセグでサイズが見事に分かれている。大成功を納めたMAZDAのフィロソフィーに共感してCX-5に乗っているので、ちょっと手前勝手な言い分になってしまうが、スポーツ・ユーティリティ・ビークルとしてランドローバーみたいな趣味に使うクルマの条件をSUVとして堂々と満たしているのは、ヤリスクロス、ライズ、XVではなくてCX-5だと思っている。実際に主な用途はロードバイクグラベルバイクを乗せて気ままに出動することだ。

 

 

 

道具の統一感

もちろんアウトドアグッズの積載だけを考えればルーミーやフリードのようなコンパクトなミニバンでも十分であるし、スライドドアの方が都合が良いという意見もわかる。しかし搭載するロードバイクと同程度の価格のクルマというのは、ちょっとバランスが悪い気がする。自分一人が楽しむロードバイクと、家族も乗せるクルマにかける金額が一緒ってどうなんだろう!? スーツは高級だけど、靴は安物・・・みたいなバランスの悪さがある。ロードバイクだけでなく、アウトドアグッズも載せる。デザイン性の高いオシャレなバーナー、ケトル、チタンマグでコーヒーを煎れて一服する趣味を満喫するのにCX-5のサイズとセンスがちょうどいいと感じている。

 

 

SUVじゃなければ・・・

インドアのライフスタイルを充実させるためには、部屋選びが大切なのは言うまでもないけど、同じようにアウトドアのライフスタイルはベースとなるクルマに大きく左右される。いくら高級車だといってもクラウンのトランクからスノーピークのキャンプ道具が一式出てくるのは、どうにも様にならない。ミレーのアウトドアジャケット上下に身を包みクラウンから降りてくるのも違う。トヨタの全てのモデルが似合わないのではないか!?と言う意見もあるだろう。ボルボプジョーシトロエンといった洗練されたデザインの欧州ブランドがハマるシーンに、全く違う方針で設計されるトヨタ車を放り込む方が悪いかもしれない。

 

 

 

アウトドアのためのクルマ

欧州ブランドであっても洗練されたアウトドアスタイルの為のクルマとなると、最有力候補になるのはSUVだろう。クラウンよりは適性があるかもしれないが4ドアクーペやワゴンではちょっと不都合が生じる。3〜4時間ほど山頂まで歩いたり、ロードバイクに乗ったりした後に運転して帰る際には、広々したコクピットや重量からくるゆったりとした乗り味などSUVはベストだと思える。同じことがゴルフ、スノースポーツ、マリンスポーツでも言えるだろう。セダンやスポーツカーの良さは否定しないけど、SUVの普及によってインドアとアウトドアを同等のセンスで楽しめるようになった。

 

 

誰でもスポーツの時代

英語ではMAMILという言葉が生まれたように、クルマを積極的に嗜む世代は、それと同時に熱心にお気に入りのスポーツに打ち込むのは当たり前の時代になりつつある。別にクルマを介さなくてもスポーツに親しむことは可能だけど、物質的な消費よりも、貴重なエクスペリエンスに多くを支出する時代においては、クルマの機動性と組み合わせることで、簡単に瀬戸内しまなみ海道や伊勢志摩パールラインなどにロードバイクで繰り出すことができる。そして移動中もハイセンスなプライベート空間に浸っていられる。

 

 

 

SUVの価値を伸ばす

ハイセンスなライフスタイル、スポーツ習慣、アウトドアな居場所作り、有限な人生におけるエクスペリエンス、様々な趣味に幅を広げる・・・といった現代人のスタイルに高いレベルで応えるという意味でSUVは、従来のクルマにはない新しい価値を作り出している。MAZDASUVばかり作ると批判する声もあるかもしれないが、このメーカーはどこよりも的確にそのニーズを捉えている。SUVに求められているものは、安さではなく、自己投影するに足るだけの「価値=センス」である。見事なセンスでCX-5で作り上げたが、さらにCX-60でより上質なアウトドアライフへとユーザーを誘うつもりのようだ。

 

 

SUVに向いてない人

逆説的に言えば、オシャレをしない人、スポーツをしない人、一眼レフカメラを使わない人、ハイセンスなアウトドア用品に興味がない人、印象的なエクスペリエンスを求めてない人にとっては、MAZDAや欧州ブランドのSUVなんて全く必要もないだろう。もっと燃費が良くて、使い勝手の良いテキトーなクルマを選べばいいと思う。CX-5と同じような方向性でホンダ・ヴェゼルや日産アリアが開発されている。MAZDAが狙ったSUVマーケットの全貌が他社にも徐々にバレつつある。それでもRAV4やハリアー、レクサスRX、NX、UXは、あれこれとMAZDAの真似が下手くそだと感じてしまう。残念ながらトヨタの古い価値観を切り離すことができていない。CX-5の登場&大ヒットによりその乗り味は良くも悪くも従来のMAZDAのイメージを大きく変えたが、トヨタSUVになっても乗り味がほぼ変わらないのはなぜだろうか!?