マウンテン・ゴリラのカーライフ

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日本向けカローラが全車HEV化

 

日本を支えるインフラカー!?

現行カローラは4車種化&3ナンバー化して登場した。国内市場の様々なニーズに合わせて、旧型の5ナンバーの2車種(セダン、ワゴン)の併売も続いていて、柔軟なマーケティングはさすがトップメーカーだと感心していたが、ここにきて一気に状況が変化したようだ。実家のクルマがカローラ・ツーリングになって4年が経過する。高速道路もしっかり走れるボデーと1.8L自然吸気エンジンが搭載されて、200万円台前半の手頃な乗り出し価格で中間グレードを購入できた。

 

当時はサポカー補助金(高齢者限定)で10万円も支給されていて、母のような長年のトヨタユーザーへ熱心な売り込みが行われていた。その需要もどうやら一巡したようで、カローラの販売戦略も転換点を迎えたようだ。販売が伸び悩んだ50系プリウス(先代・2015年発売)の失敗を取り返すタイミングの、2018年からの登場だったこともあり、充実した装備と、ダンピングと言える価格設定は、なかなかインパクトがあった。

 

 

ゴリ押し営業

母は買い替えにはそれほど乗り気ではなかったが、自動ブレーキとサポカー補助金は魅力的だったようで、カローラ売り込みの後に営業マンが持ってきたルーミー案件の時に、相談してきた。何も知らない母にルーミーはダイハツOEMであり、実家の目の前にダイハツディーラーがあるので、トヨタで買う意味ないし、エンジンが1.2L自然吸気で高速道路での使用には不向きで、日本専用車なので衝突安全基準の評価も高くない、さらに低出力・軽量なCVT車は踏み間違い事故で大惨事になりやすいから、全くオススメできないと容赦ない説明をした。

 

できることならトルコンATを装備したクルマに乗らせたかったが、MAZDAだとデミオとCX-3以外は車幅が1800mm近くまで拡大していて、実家の駐車場には不向きである。デミオ&CX-3では長距離の後席利用には向かない。当時はプジョー208も割安だったが、こちらもボデーサイズが小さく、さらにサポカー補助金の条件も満たしていなかった。母は、クルマ好きでもないのに200万円以上も負担するなんてバカバカしいと思ったようだが、同居人(妹)が半分負担するという形で、絶妙なサイズのカローラツーリングに決まった。

 

 

 

強者の戦略

グローバル仕様のカローラを、日本向けに「寸詰め」して売ることは、もはやトヨタにしかできない強者の戦略である。価格設定も破壊的で、影響を受けたシビックインプレッサMAZDA3の3車種は、販売ラインキングのトップ10に入るどころか50位以内も危うくなっている。2024年4月〜2025年3月の年度売上台数は、カローラ(4車種)が165,448台、インプレッサ(クロストレック込み)が32,301台、MAZDA3&CX-30が26,775台、シビックが17,157台で、4車種あるとはいえ、カローラに販売は突き抜けていて、需要を大きく吸収していることがわかる。

 

今回のカローラのHEV専用化(ガソリンモデル廃止)には、さまざまな憶測が浮かんでしまう。国内屈指の売上好調モデルの大変更であるから、よほどの理由が考えられる。トヨタ性善説だと、日本の自動車産業に危機を受けて立ち上がった言えなくもない。トランプが2025年2月に関税強化の大統領令に署名してからわずか3ヶ月しか経過していないが、トヨタのフットワークの軽さを考えれば十分な時間だったのだろう。相互関税はスピーディに設定され、アライアンスを組むスバル、MAZDAにとっては死活問題となっている。盟友である両社の日本でのビジネスに対して、トヨタが配慮したという美談なのだろうか。

 

 

ダンピング終了のお知らせ!?

前述のように、50系プリウスの失態を取り返す大胆なプロジェクトだったために、自動車価格が上昇する昨今では考えられない(売り込みやすい)価格設定のまま6年ほど経過した。これによってトヨタの国内市場のラインナップに弊害が出ている。斬新なデザインで登場した60系プリウスは、先ほどの年度で80,212台で、同じくトヨタのHEVを牽引してきたアクアと合わせても、カローラ(4車種)の販売台数には届かない。プリウス用の2LエンジンのTHSにも余剰が出ているようで、新たにカローラクロスGRスポーツ(389万円)という特別仕様車に搭載される。

 

4車種全てのHEV化でベースグレード(GまたはG・X)は戦略的な価格見直し(値下げ)が行われ、セダンで228万円、ツーリングが236万円、スポーツが248万円となる。いずれもインテリアのグレードは同じで、充実装備のオプションは付けられず、最廉価グレード専用の15インチ(カローラクロスは17インチ)の鉄ホイールが組み合わされる。1つ上の中間グレードになると、セダン268万円、ツーリング276万円、スポーツ278万円まで大きく上がる。もし実家のクルマが壊れたら、同じツーリングの中間グレードを選ぶと乗り出しが300万円超えになってしまう。

 

 

 

乗り換えておくべきだったかも・・・

実際に乗り換えとなったら、4年前は人気過ぎて受注停止になっていたカローラクロスが断然に快適で、母も妹も気に入るだろうが、1825mmの車幅で実家の駐車場に母の運転技術で楽に入れられるとは思えない。カローラツーリングでも実家のゲートでしばしば車体擦りをしているようで、高専出身の妹が器用に板金&リペアをしている。4年前はガソリン車が1.2Lターボだったので選択肢から外したが、カローラスポーツに2L自然吸気が搭載されたタイミングで買い替えを強行しておけば良かったと思ってしまう。

 

カローラで唯一パワーシートが装備できるカローラクロスは、国内最大規模を誇るトヨタラインナップの中でも絶妙の立ち位置だ。2L自然吸気のグレードはFFのみの設定ながら非常にコスパが良く、満足できる装備の中間グレードでも241万円だった。HEV専用になり中間グレードは298万円からとなる。このグレードはオプションでパノラマルーフ(かなり大きい)や10.5インチのナビが装備できる。トヨタヴェゼルをかなり意識したためか、非常にお得な装備内容になっている。

 

 

SUV市場は終焉した

パワーシートと10.5インチナビが標準装備される最上級グレードのZは、343万円からで、オプションのパノラマルーフをつけると、なかなかの金額になってしまうが、他のカローラ(セダン、ツーリング、スポーツ)では実現しない特別なカローラになる。これが廃止されてしまった2Lガソリン車では290万円だった。ボデーサイズの取り回しが良くて、ハリアーやRAV4の上位グレードと同じ装備とパワーユニットなのだから、さぞかしバランスが悪かったのだろう。

 

ホンダ・ヴェゼル、スズキ・ハスラー、スバル・XV、MAZDA・CX-5などが大ヒットしていた2010年代だったけど、5年ほど前からトヨタが、ハリアー、RAV4、カローラクロス、ヤリスクロス、ライズの「SUV5兄弟」を一気に揃えて、国内SUV市場は一気にレッドオーシャンとなった。これが資本主義の常道なのかもしれないが、ホンダ、スズキ、スバル、MAZDAにはもはやこれに対抗するだけの資本力はない。

 

 

トヨタ以外はアジア圏から輸入へ

自動車業界の最後の起爆剤だったSUV市場も「一強寡占」で、競争はすでに沈静化されている。トヨタの会長がホンダに対して「エンジン開発を止めないで!!」と直々に請願に行ったと報道されているが、ホンダ側が「方針は変えません」とつれない対応をするのもよくわかる。どの口が言ってんだ!!という気分だろう。2020年代に入り、日産キックスとMAZDA・CX-3がタイから、ホンダWR-Vとスズキ・フロンクスやジムニーノマドがインドからの輸入となった。

 

この状況を見極めて、カローラクロスを含む、カローラからガソリン車を撤退させ、次期RAV4、ハリアーもHEV専用になるという。海外からの定量輸入なので、販売台数をすぐに増やすことはできないし、海外生産車よりも東北地方で生産されるヤリスクロスを買おうというユーザーも多いだろう。どうやらトヨタによる「国内SUV市場制圧」プロジェクトが完了したらしい。このような状況に対応するために独占禁止法があるのだろうけど、完全に形骸化している。

 

 

 

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