新しいスカイラインが示す「意味」
増税前ということで今年の前半はいつになく新型モデルの発表が多かった。夏になりMAZDA3の話題はひと段落し、今度はMAZDAのCX-30、そして日産スカイラインなどのレビューがヤフーニュースに次々と登場すると、厄介なことに日本市場が誇る「クルマのこと何もわかってないオッサン軍団」がここぞとばかりに湧いてくる。どーでもいいけど自分のブログやツイッターに書けよ!!と言いたくなるくらいに「空っぽ」なクルマ観を晒してます。427万円という素晴らしい価格設定になったスカイラインですけども、ヤフコメ常連の手にかかれば、まさかの・・・「スカイライン高過ぎる。これならCか3を買うよ!!」だってさ。ドイツ車を買っとけ買っとけ、このオッサンにはスカイラインなんて宝の持ち腐れだ。価値がまるでわかってない・・・。
ドイツ車が有難いのか!?
わざとバズらせるためか、ウェブメディアもこれ見よがしに「MAZDA3はドイツ車と超えた!?」とか記事に如何わしいタイトルをつけたがるのだけどさ。もう20年も前にファミリアをベースにしたフォード・フォーカスがVWゴルフを徹底的に叩きのめして欧州の覇権を奪っていてその時点で「MAZDA3はドイツ車を超えている」のだけど、そんなことも全く知らないかのような、50歳越えのオッサンたちが多いんだよな・・・。失礼だけども、そんな連中はもう二度とクルマに関するコメントはしない方がいい。ハッキリ言って「日本の恥」だ。ドイツのクルマ雑誌に「MAZDA3の良さが理解できない日本は意味不明」と書かれたし。ついでに言っておくと、ドイツの直4のFRサルーンなどに乗ってる奴らも全員恥さらしだ。BMW、メルセデス、トヨタ(クラウン)、レクサス(IS、GS)・・・重ね重ね失礼だけど「直4のFRサルーンがいいクルマ」だと思っている輩は何も考えてないだろ!?
スカイラインのネームバリューは別格
スカイラインも今回のビッグマイナーチェンジまで日本市場に直4ターボモデルがあった(今も販売が続く中国市場向けをついでに日本でも販売していた)。このメルセデス製ユニットの搭載には当初から日産の開発者たちは大反対だったらしい。そりゃそーだ。「スカイライン」という商標は日産本流ではなく、傍流のプリンスのものだけども、日本の自動車産業にとっても非常に重い名前だ。アメリカ市場で最初から大ヒットした日産本流の「フェアレディZ」とは違い2000年頃まで国内専売モデルだったけど、すでに海外で有名だった。2000年頃に正規販売が始まった英国では「いよいよプレーステーションではなく、本物のスカイラインGT-Rに乗れる!!」みたいなレビューが書かれていた。当たり前だけど、そんなモデルはメルセデスやBMWには過去に存在しない。
バカはクルマを作ってはいけない!!
それだけの「十字架」を背負った車名に、「中国専用エンジン」とも言える、2L直4ターボを載せる。悪魔の仕業だろ。完全に奥様用でしかないCクラスや、若者&老人向けのモデル(ドイツやアメリカでは)である3シリーズとは、全然クルマが背負っている意味が違う!!!インフィニティQ50をそれらのライバルとして認識し、同じような中国向け直4ターボの搭載を進めたことで、日産の北米市場の失墜は既定路線だったのかもしれない。V8が当たり前のアメリカンFRサルーンよりも、ドイツメーカーが中国市場向けにテキトーに作った直4ターボFRサルーンに憧れた段階で、日産の存在価値なんてない。何もわかってないで日本で直4FRサルーン乗ってるユーザーと、同レベルの人間が日産でクルマを作っていた!?・・・これは栄光の歴史に泥を塗ったな。V37スカイラインが直4化した頃の北米担当が間も無く退任する現社長らしい。自分がクビになるのが嫌だからゴーンを売った!?そんな輩をトップした結果、スカイラインも日産もダメになりかけたのでは!?
日本市場のFRサルーンって本当に酷いよな・・・
直4ターボ搭載を、主導した会長が退任に追い込まれたこともあって、かなり大胆に方針を変えてきた。今回の日本向けスカイラインのラインアップ再編によって、日産はメルセデス、BMW、トヨタ、レクサスのFRサルーンは「間抜け!!」だと揶揄したいのかもしれない。日本市場では、メルセデス&BMWで6気筒モデルを定価で買うならば1000万円が見えてくる。トヨタ&レクサスでも(マークXを除けば)700万円以上はかかる。これが427万円ってスゲーな。405psバージョンも551万円。これがアメリカ価格ってヤツなのか!?アメリカじゃ直4のFRサルーンなんてゴミ扱いだ。客寄せパンダにもならない。アメリカだけの話ではない、日本のBMWを扱うディーラーでもE90やF30の直4モデルはゴミ同然らしい。残クレでたくさん戻ってくるけど、従業員は誰も欲しがらないらしいよ(当たり前だが)。
蓼食う虫も好き好き
幸いなことに知り合いにBMW、メルセデス、トヨタ、レクサスの直4FRを所有する人はいなくなった。アドバイスを求められたら「直4は絶対にナシですね・・・」って遠慮なく言ってしまう。もしあなたの知り合いに直4FRユーザー(86やロードスターなどのスポーツカーは除く)がいたら、わざわざ「直4FRってアホらしいよ!!」なんて教えなくていいですよ。クルマの価値がわかってない人にとってはどーでもいい話ですし。直4FRサルーンに乗って幸せを感じているのだからそっとしといてあげましょう。もしあなたが直4FRのユーザーで、うっかりこのブログを読んでしまったら・・・。このブログを書いているアホ(CARDRIVEGOGO)は相当にヤバいヤツなので気にしないでください。もう読むのやめたらいいよ。二度とCARDRIVEGOGOのブログには近づかないように!!・・・ちょっとショックで立ち直れない人は、スカイラインでも買いに行ったらいいんじゃないですか!?F30の320iからの乗り換えなんて歓迎してもらえるんじゃないでしょうか!?
説明するのも面倒くさい
なんで直4FRのサルーンが悪いのか!?何度か他のブログでも書いたことがあったけども、別に日産の開発者や、アメリカのユーザーや、日本のBMWディーラー勤務の人がバカにしているからダメなんだ!!というわけではない。ホンダ、プジョー、VWが横置きFFでサルーンを仕立てる理由は、①キャビンスペース ②直進安定性 ③衝突安全性 ④静粛性(NVH) ⑤トラクションの確保 の主に5点でFRに対して優位に立つことができるからだ。FRのレクサスLSに対してFFのレクサスESは上記の5点で全て優位に立っている。5.2mのLSより、4.9mのESの方がキャビンスペースが広いし、これは想定外だけどNVHも抑えられている・・・。
日産はリーディングカンパニー
FFの欠点はないのか!?・・・FRに決定的に負けている点は300psを超えるハイスペックモデルを作るのが難しいこと。つまり6気筒以上で300ps以上じゃないと男のクルマとは思わない!!とい豪語するアメリカ市場で商売するためには、FRのサルーンで勝負しなければならない。スーパースポーツに片足を突っ込んだようなサルーン、例えば有名なシリーズだとBMW・M5などを作るならば、FFベースではかなり難しいだろう。しかし何年か前のルマンで日産がFFベースのモデルで参戦していたが、日産ならばFFベースで500psのハイスペックモデルを作ってしまうかもしれない。なぜFFだったのか!?は諸説あるようだけど、日産がFRベースで本気で参戦したら、ポルシェ、アウディ、トヨタは勝ち目がなくなるからか!? 実際にFRサルーンの市販車では、日産とそれ以外のブランドでは絶望的なまでの技術力の差があるのは事実だ。
「意味のある」クルマ
山口周とかいうオッサンが新刊で書いていたが、市販される自動車は3種類に分類されるらしい。1つめは「役に立つ&意味はない」、2つめは「役に立つ&意味がある」、3つめは「役に立たない&意味がある」らしい。それぞれ1つめが日本車、2つめがBMWやメルセデス、3つめがランボルギーニなんだそーだよ。モテたい!!とか女優と結婚したい!!って人には、日本車は「役に立たない」けど、ランボルギーニは「役に立つ」。長澤まさみが一般人と結婚するとしたら、その人はかなりの確率でランボルギーニだかベントレーに乗っていると思うが・・・。
クルマ=タバコ!?
そもそもメルセデスとBMWが「役に立つ&意味がある」に分類されているのが理解不能だ。日本でもグローバルでもいよいよFFモデルが半分以上を占めている。さらにFRもほとんどが直4で残クレから返却されたモデルを従業員が誰も欲しがらない・・・これで本当に「意味がある」と言えるのだろうか。山口周はコンビニでも多種の商品が売られるタバコのように、銘柄それぞれに「意味がある」商品は、簡単には寡占状態にはなりにくい性質があるから、これからの社会では、コモディティは「意味を追求すべきだ」と説いている。なんだかなー。タバコまではいいけど、それをクルマに当てはめるのは勘弁して欲しい。
渦中の日産だけど、期待しかない!!
山口周が「お手本」だと賞賛するCクラスや3シリーズの販売は低迷の一途を辿っている。本当に「意味がある」ならば、日本市場向けの価格リストが日本メーカーの数倍にも膨れ上がるくらいに、多くのモデルを販売する必要もないと思うが・・・。とりあえずFRに直4ターボを載せた「中国市場騙し」のようなクルマに意味があると思っている山口周のセンスは、もはや「アート」など語るべきではない。・・・で何が言いたいか!?「日産」そして「スカイライン」こそがDセグメントのFRサルーンとして、世界で最も「意味がある」ってことだ。日本の公道で400psをぶっ放す場面などあるわけがない。そんなモデルを堂々とプロパーで販売し始めた日産は「スカイライン」の価値を再び正しく認識し始めたと言っていい。
トヨタのFRが消える意味
日本市場ではセダンは「意味がある」ことでしか売れない車種になっている。著しく優れたシャシー性能。走りを破綻させない4輪のコントロール性。最高の乗り味を演出するエンジンとミッション。そして設計&生産を指揮する、素晴らしい才覚に溢れた開発者とエンジニア。これらが全て備わっているメーカーだけが、日本の「サルーン」市場という究極のレッドオーシャンを生き延びることができるだろう。年内にもレクサスGSとマークXが脱落する予定だというトヨタは・・・まあこれも当然の結果だな(何も響くものがない)。さてさて今後FRサルーンでの活躍が期待される日産とマツダ。ただしどちらも「逃げたら」負けだ・・・。