マウンテン・ゴリラのカーライフ

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メルセデス、トヨタ、レクサス 日本の定番はどれだ!?

 セダンの現在地とは!?

前回に引き続き中型車13ブランドの予選・Bグループ。日本市場でまともにセダンのセールスが見込めるメルセデストヨタ、レクサスの3ブランドの対戦となりました。日本でセダンを売りこむ実力とは一体何なのか!?・・・を高いレベルでわきまえているであろう3ブランド。スバル、マツダ、ホンダ、アウディなど日本でサルーンをなかなか売れないブランドには何が足りないのか!?スペックだけであれこれ語ってしまうと、ついつい見落としてしまう、日本で売れるための奥深さがあるんだろうなー。

 

前回のリンク

「中型車13ブランド を日本的な価値観で語ると・・・」

 

 

 

 

 

メルセデス・Cクラス (C200・552万円)

 

現行型となる4代目Cクラス(W205)は、メルセデスの大いなるブレイクスルーとしてそのブランド史に名を残す名車になると思います。前身モデルとなる「190シリーズ」が1982年に登場し、1993年から「Cクラス」という名称でDセグメントサルーンの市場(BMWが跋扈する市場)を狙うも、大型車のイメージが強いブランドアイデンティティが逆に重荷となったようで、なかなかBMW3シリーズ『殲滅』という当初の目的が果たせないまま燻っていました。それどころかBMWの威名が上がるばかり・・・。

 

2014年から現行W205が登場すると、たちまち欧州、アメリカ、日本の成熟市場で売り上げが伸びはじめ、2017年にはCクラスが17万台、3シリーズが12万台で、とうとう立場を逆転させることに成功しました。このW205の成功の要因を分析すると、長年トヨタなどが必死で追い求めてきた「小さな高級車」というコンセプトを、これまでのクルマにはなかった?というくらいのレベルで見事に実現したことに尽きるのでは・・・小さいけどやたらとモードでカッコいいもんねー。自動車業界におけるDCブランド化だな・・・。

 

1998年に発売されたトヨタプログレそしてその後に追加されたブレビスの2台は、最終型マークⅡのコンポーネンツを5ナンバーに収まるサイズにリデザインした上で、わざわざフワフワの乗り味のクラウン用の足回りを流用したこだわりの「小さな高級車」でしたが、ゼロクラウン、マークXが欧州車のような乗り味で人気だったこともあり、セールスは伸び悩みました。

 

レクサスISの日本導入で役割を終え、販売が終了したプログレ&ブレビスでしたが、レクサスが日本に導入されずにトヨタブランドの中で存続するとしたら、どんな進化を遂げていたのだろうか!?もしアルテッツァとの併売がそのまま続けば、今のトヨタのセダンにおける立ち位置はかなり違ったものになっていたと思う。

 

メルセデスは伝統的にSクラス、Eクラスにおいて大きなシェアを持っていますが、ここ数年の成長は、CLAクラスとCクラスの「コンポーネンツが異なる」2台の同サイズサルーンの躍進に支えられています。旧三菱の設計を使ったFF横置きシャシーのCLAと、メルセデスのオリジナル縦置きシャシーのCクラスでは、ミッションやエンジンの仕上がりや限界性能がまるで違うのですが、どちらも日本では300〜400万円程度のほぼ同価格で未使用車が流通しています。スペックではなく、どれだけDC(デザイナーズ・キャラクター)であるかが大事!!これを後年にはメルセデスによる「デザイン革命」と呼ぶのかもしれない。後に続くEクラス、CLSクラスも相当な作り込みだ・・・。

 

コーナーリングの限界性能はCクラスが上だけども、直進安定性やブレーキングではCLAが上回る・・・といった個性が分かれるなど、サルーンを販売するブランドとして日本市場で随一の奥深さを持っています。さらに欧州で発表済みのAクラスセダンも間もなく日本市場に登場するようです。日本で使いやすいサイズのメルセデスのFFとFR。どちらも測定値レベルではプリウスの上級グレードに加速・静粛性などの基本項目で遅れをとっている部分もあるようですが、350万円出してプリウスを買うよりも、同じ金額でC180やCLA180を買ってみたい!!という気分にさせる「キャラクター」を持ってるよなー。日本メーカーもメルセデスくらい余裕で肩の力を抜いて「小さな高級車」を作ってみてはどーでしょうか!?

 

 

Cクラスの採点・・・①走行性能4 ②開発/完成度7 ③エキップメント7 ④格式/モード5 ⑤ストーリー性6  合計29

 

 

 

トヨタ・カムリHV (WSレザー・434万円)

 

アメリカ市場で好調を維持するトヨタの実力を、日本市場でも示す!!というカタルシスで、ハイブリッド化された先代モデルから好調なセールスを誇るカムリ。ひと昔前のEセグメントを軽く超えるサイズとなっていて、クラウンと同じ全長で全幅はカムリの方が大きい。「なんとなく・・・だけど、男らしいサルーンが欲しい」そんなピュアな自動車への興味を、素直に真正面から受け止めてくれる数少ないモデルかもしれない。力強さを感じる雄大なボデーとパワフルなユニット・・・そして手が届く価格。

 

カーメディア全体が不都合ゆえに「完全無視」を決め込むほどに、使い勝手と加速感が両立しテイル、輸入車にはまだ存在しないような傑出したハイブリッドユニットが搭載されています。何も考えずに乗り比べたら、レガシィB4、BMW320i、BMW523i、日産ティアナなど、旧式ユニットそのままのサルーンでは全く歯がたたない。そして前回の投稿でべた褒めしたスカイライン350GTを500万円出して買う必要はないなーってくらいに好印象。コスパで日産もアジっている。

 

トヨタはこのユニットを存分に使ってクーペやワゴンも作ったらどーですかね。セダンだけに使っているのはちょっと勿体無い。新しく中型車に生まれ変わるカローラフィールダーの上級モデルには採用されるだろうか!? 今こそこのユニットを使って伝説の『カリーナED』を復活させればいいのになー。実際のところ現行カムリのボデーこそが、カリーナEDの思想を受け継いでいるのだろう。全長4885mmに対して全高1445mmに抑えられたスタイルは実に横方向に伸びやかだ。しかし誰もカリーナEDの再来とは言わない・・・ちょっとデカ過ぎるんだろうなー。

 

メルセデスのように「小さな高級車」戦略を再び仕掛けてはどーだろうか!? 全長を4700mmまで詰め、全高を1390mmくらいにする。外観はアウディA5スポーツバックやBMW4シリーズグランクーペのようなスマートなスタイルで、キャビン内スペースもFF横置きの利点を生かして広々・・・となりそうだけど、クラウンとカムリで使うパワフルなハイブリッドを移植するには、バッテリー搭載や放熱に必要なスペースを確保するのは相当に難しいのかもしれない。

 

 カムリHVの採点・・・①走行性能7 ②開発/完成度5 ③エキップメント6 ④格式/モード3 ⑤ストーリー性4  合計25

 

 

レクサスRC (RC300h・530万円)

 

Cクラス、カムリHVとの比較だけども、あえてレクサスRCを推したい。トヨタが誇る信頼性をベースに、世界で最もアイディアが溢れるナンバー1メーカー・トヨタが、目一杯にその創造性を発揮できる場所として、今の社長が指揮をとる限りは、「レクサス」には存在価値が十二分にあると思う。

 

レクサスを全く肯定的に理解しようとしないオッサンカーメディアの影響で、まるでドイツプレミアムブランドの真似ばかりしているブランドだと認識されているみたいだけども、このブランドの実力は、輸入車大好きなオッサン達もすでに薄々は感づいていると思う。レクサスは今では高級車ブランドにおいて、最も技術革新に前向きであり、パワートレーン、ミッション、サスペンション、ステアリング技術、シャシー&ボデー成形、内装におけるあらゆる分野で優れた技術を秘めており・・・社長の号令一つでひとたびコスト制約の壁が突き破られれば、他のメーカーが呆然とする、えげつないレベルのクルマが出てくる可能性が高いわけです。

 

そんなレクサス覚醒の鍵を握る豊田章男社長。プリウスハリアーもゴミ!!と言ってしまう破天荒な社長が、とある公式会見で堂々と「いいクルマ」と認定したのが、レクサスRC-Fでした。V8自然吸気の野生児なユニットだけで1000万円の価値はありそうだけど、さらにカーボンあり、レーザー溶接あり、パフォーマンス・ダンパーあり・・・とあらゆる鍵が開けられていた。

 

ノーマルのRCでも十分に気合を感じます。ベースモデルのレクサスISと乗り比べると、その差は「笑えない」レベルだったですねー。同じような関係にある3シリーズと4シリーズも確信犯的な味付けの違いで「まだBMWは死んでないよー!!」ってことをアピールしてましたけども、レクサスRCの跳躍度はそんな次元じゃなくて、レクサスISの2800mmのホイールベースを、FRスポーツセダンの名車として語り継がれるE46系3シリーズとほぼ同値の2730mmまで縮めている。

 

ちなみに3シリーズと4シリーズのホイールベースは同じ。拡大の一途を辿る世界のトレンドの中で、敢えて『縮める』という選択を強行した「決断」をもっと評価してあげていいんじゃないの!? 俺たちは90年代に戻るべきじゃないのか!? って言うのは簡単ですけども、実際に製品化しているのはレクサスだけだ。確かにBMWには「2シリーズクーペ」(ホイールベース2690mm)という宝があるけど、その理想をレクサスなりに「世界最高」のレベルで再現しようとしたことに、このRCの存在価値があると思う。

 

レクサスRCの採点・・・①走行性能8 ②開発/完成度6 ③エキップメント6 ④格式/モード5 ⑤ストーリー性6  合計31

 

 

結果発表

1st・・・レクサスRC300h 31点

2nd・・・メルセデスC200アバンギャルド 29点

3rd・・・トヨタ・カムリHV・WSレザー 25点

 

結果を出したCクラスと、過激過ぎて受け入れられなかったRCの「対比」なので、評価に対して異論反論は多々あるでしょうけども、甲乙つけ難い良い勝負だったと思います。この2台のセールス結果が、今後のメルセデスとレクサスの戦略にどう影響するのだろうか!? なんて素人には予測もできないですけども、それぞれの次のモデルが発売された時に、何を受け継いだのか!?をあれこれ考えるのを今から楽しみにしています。AクラスセダンとレクサスESが日本に導入されたら、またセダンユーザーが大きく動きを見せそうです。

 

ちょっと差をつけられたカムリHVですが、レクサスとの相対関係を押し付けられたトヨタブランドゆえの制約もあるし、北米でまだまだドル箱として機能している大ヒットモデルゆえの「油断」もかなりあったとは思います。欧州市場にも投入され、グローバルなフィードバックから、次世代モデルの方向性がまとめきれるのか!?本文にも書きましたが、日本&欧州向けにコンポーネンツをそのままに4700mmに詰めたカリーナEDが登場しそうな気配が・・・技術的なブレークスルーを期待したいところです。

 

「国産の量販車でクルマ道楽するためには・・・。」

 

 

 

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