マウンテン・ゴリラのカーライフ

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ポルトフィーノ の存在意義は?

 

マイルド・フェラーリ

フェラーリで最も手頃な価格でラインナップされている「ポルトフィーノ」。4.6m足らずの全長でFRの2+2シート、しかもリトラクタブルハードトップを備える「マルチパフォーマンスツアラー」とでもいうべきモデル。エンジンはフェラーリの他のモデルと共通ではなく、先代のカリフォルニアTから専用設計の縦置きのV8を使っていたけども、ポルトフィーノと同時期に発表されたGTC4ルッソにも同じエンジンを載せたグレードが登場した。

 

かなりハードボイルド

限りなくレーシングエンジンに近く、世界最高水準のエンジンを提供するのがフェラーリであり、ミッドシップ用の横置きV8と、フロントエンジン用の縦置きV12は、市販車の常識を超えた高回転ユニットなのに対して、ポルトフィーノ用のV8ツインターボはややマイルドな設計ゆえに「偽物」とか言われる。完璧主義のフェラーリ・ファンには許せないことなのかも。いや完璧主義だからフェラーリを選ぶわけですけども。それでもターボエンジンとしては相当な水準をしっかり確保していて紛れもなくフェラーリ・ユニット。シビックtypeR (7000rpm)や911ターボ (6750rpm)を超える7500rpmに出力ピークを持つ高回転ユニット。

 

ドイツ車と敵対するマーケティング 

フェラーリに紛れ込んだドイツ車」という揶揄もわからないでもないかなー。先代のカリフォルニアは、誰の目にもメルセデスSLの設計をコピーして、ユーザー層を掠め取りあっさりと大ヒットへ繋げている。ブランド全体で年間8000台程度しか作らないフェラーリにとっては、大ヒット自体にあまり意味がないことだけども、「非主流」のモデルがなんの障害もなく売れたことは安定経営に向けて好材料ではあったはず。

 

ブランド発展のための生贄

フェラーリもブランドへの注目度を上げる意味もあって、ドイツ車との接点を意図的に作った部分もあるんじゃないか。「ポルシェとフェラーリはどっちが上か?」というオッサンが盛り上がるネタがあるけども、日本のオーナーはどちらかというとポルシェ派が多いらしい。ユーザーの数は敷居が低いポルシェの方が多くて当たり前だけど、肝心の議論も極限まで早いクルマをあらゆる局面で最高のパフォーマンスを引き出す「デバイス」の開発力は、客観的に見てポルシェの方が優位。

 

ポルシェ

ポルシェ優勢の世論に一石を投げた名言が、「ポルシェは誰でも早いが、フェラーリを早く走らせるには腕が要る」。つまりフェラーリの技術的な敗北を宣言だけども、腕があればフェラーリのポテンシャルを全て引き出せるし、そのレベルにおいては機械任せのポルシェよりも高い理論値が実現できるってことらしい・・・すでに比較する基準が変わってきてしまってるけど。

 

名門メルセデスに因縁

話を元に戻すと、フェラーリがわざとドイツ車のフィールドに踏み出して、「話題づくり」を始めたのが先代のカリフォルニア。ターゲットはドイツ自動車産業の盟主メルセデスの「SL63AMG」で日本価格は2277万円だってさ。これに約2500万円のフェラーリが作った「ドイツ車」が襲いかかる。FRなのに0-100km/hが3.9秒を記録するポルトフィーノのパフォーマンスを考えると、SLのユーザーを奪うのも当然の結果か・・・。

 

アメリカを制する

フェラーリ内部では相変わらずの異端車なんだろうけど、ブランドが持つ有り余る能力を、より多くの観衆に見てもらうドイツブランドとの「対外戦」で、その実力をあますところなく示している意欲的なモデルであることには疑いの余地はない。自由なフェラーリってだけでアメリカ市場ではブレイク。ただし同じコンセプトで2世代目が通用するのだろうか。少なくとも先代「カリフォルニア」のネーミングに込められた意味と、その成功はフェラーリにとっては存在価値をさらに広める上で重要なミッションだったんじゃなかろーか。

 

 

 

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