マウンテン・ゴリラのカーライフ

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MAZDAのストロングハイブリッド

 

MAZDAサプライヤー

今時の自動車メーカーは、巨大化競争が過熱するサプライヤーの営業をあれこれ受けて、トレンドを判断して新型モデルを開発する。マツダ直列6気筒エンジンを開発したと言っても、既存のBMWに加えて、メルセデスやランドローバーにも新規に登場していた直列6気筒を裏で支えるサプライヤーが、日本メーカーで一番売り込みやすそうなMAZDAにも営業にやってきたという話だ。

 

直6ディーゼルのグレードと、直6ディーゼルにマイルドハイブリッドが付いたグレードでは価格差が100万円を超える。内装などのグレードにも差をつけられているので、100万円全てではないだろうけど、それなりに高額な補機を売りつけられていることがわかる。「今後も欧州でICEを販売したいなら48Vは必須です。」と欧州委員会(EC)と結託しているドイツ系サプライヤーにゴリゴリに迫られたのだろう。

 

 

2030年までの道のり

MAZDAは2030年までに生産車全ての電動化を完了させると宣言している。マイルドハイブリッドを含む電動化なので、よほどのことがない限りは計画通り実行される可能性が高い。CX-60で手頃な価格で販売された2.5Lガソリンや直6ディーゼル(48Vなし)の販売はあと5年以内には終了してしまう。ロードスターもBEVもしくは48Vマイルドハイブリッド搭載で、ちょっとした高級スポーツカーになってしまいそうだ。

 

MAZDA2とCX-3の次世代モデルが存在するかどうか不明だ。現状はCX-5、CX-60〜90の中大型SUVで大きな利益を稼ぎ出しているので、日本のディーラーでは軽自動車と同じく他社OEMで後継を賄うことになるかもしれない。メルセデスもAクラスやBクラスなどの横置きエンジン車の販売を順次終了しているが、MAZDAが完全に天狗になっていて、もうBセグなんてやってらんねー・・・というスタンスならば、スズキ・スイフトトヨタ・ヤリスがMAZDA2として販売されるだろう。

 

 

コピー

 

電動化はかなり進んでいる

デミオ、CX-3、ロードスターを除く現行モデルに関しては、ほぼほぼ「全車電動化」後の姿が予想できる。CX-60など縦置きシャシーの中大型モデルは3種類の直列6気筒、2.5Lガソリンに48Vマイルドハイブリッドが組み合わされる。他にPHEVモデルもある。横置きエンジンのMAZDA3、CX-30、MX-30に関しても2Lエンジンに24Vマイルドハイブリッドが組み合わされている。欧州向けモデルは2.5Lエンジンに24Vマイルドハイブリッドに置き換わっていくようだ。

 

残るCX-5は現状では全グレードが非電動化モデルであり、現行モデルに関しては欧州市場では順次販売が終了している。未発表の次期型モデルは2.5Lガソリンに24Vマイルドハイブリッドの組み合わせが現時点では有力だ。北米工場で生産されるCX-50は、MAZDA3のシャシーをベースにトヨタのTHSが搭載できる拡張性を持たせた設計になっていて、2013年頃に「MAZDA」の尽力によって著しく完成度を上げたTHSが再びMAZDAシャシーに搭載されることになった。

 

 

MAZDAがEVシフトを止めた!?

CX-50の販売は中国と北米に限定されるが、これと同じシャシーを使ってフルモデルチェンジが予想される次期CX-5には、MAZDA独自のストロングハイブリッドが搭載されると発表されている。既に中国市場で販売されているTHS搭載モデルを日本市場に入れたところで、MAZDAユーザーはかつてのような「軽さと走り」を追求する人ばかりではなくなっているので、それなりに反響はありそうだけども、やはり2013年の3代目アクセラHVがファンから無視されたことが「トラウマ」になっているのだろう。

 

あのタイミングでアクセラにTHSが搭載されていなければ、MAZDAによるTHSの乗り味の改良が行われす、その後の欧州市場でTHSモデルの拡販もなかった可能性が高い。もしかしたらEVシフトは減速せず、全く別の世界線を歩んでいたかもしれない。MAZDAがTHSを使い続けて10年間も開発を続けていたら、更なる素晴らしいフィールがTHSで実現したかもしれないが、トヨタからはあれこれ開発に制限が加えられていただろうし、MAZDA向けに提供されるシステムは最新世代のものではなく旧型システムで、屈辱的な提携だったとも言われている。

 

 

MAZDAが自社開発する意味

トヨタの制約がなくMAZDAが自由にストロング・ハイブリッドを自社開発したならば、今まで世界に存在しなかったような感動的な走りをするハイブリッド・システムが期待できる。ファンは勝手に妄想するけども、MAZDAにとっては現実的かつ打算的に判断しているはずで、完全にSUV中心のラインナップになってしまったので、ストロング・ハイブリッドによる重量増のデメリットを懸念する必要はなくなったのだろう。2013年のアクセラHVの頃とはまるで違う状況だ。

 

ストロング・ハイブリッドはトヨタの印象が強いが、2013年からの10年で大きく進化を見せたのがホンダのe:HEVシステムだ。MAZDAと並んで「走りがつまらないクルマは1台もない」ブランドとして、徹底したトヨタとの差別化を図りながら固定ファンを獲得している実力派メーカーだ。アクセラ(3代目)、アテンザ(3代目)、CX-5(初代)のシャシー統一などの戦略を見ても、過去のMAZDAはホンダの方針を踏襲しているケースが多く見られる。世界的大ヒットの初代アテンザはホンダの足回りの影響を受けている。

 

 

 

MAZDA製ハイブリッドの中身

グランドツーリングを趣味とするユーザーに支持されてきたホンダがたどり着いたe:HEVは、大雑把にいえば街中はBEVで、高速道路はICEを徹底して使い分けていて、モーターとエンジンによる出力を極力混ぜないようにしている。福野礼一郎さんは、分けることにより確実に走りの質は向上すると断言している。ホンダと似たような顧客が多いMAZDAにとっても、街中専用のTHSより、e:HEV方式が好ましい選択だ。カーメディアはハイブリッドに否定的なMAZDAを非難し、THSを導入しろ!!と繰り返し主張していたが、トヨタと提携関係にあるMAZDABMWもTHSには懐疑的なようだ。

 

ハリアーやクラウンクロスオーバーのTHSで22km/Lくらいのモード燃費を達成している。確かに魅力的ではあるが、MAZDAにはディーゼルでも達成可能な数字である。ディーゼルが導入できない北米向けには取り急ぎCX-50にTHSを搭載した。電動化へ時間的に余裕がある日本市場や欧州市場向けには2025年導入を目処に開発してきた自社製ストロング・ハイブリッドを投入するようだが、THSを避けて自社開発した理由として、トヨタとは別方式の「ホンダっぽい」システムを採用した可能性が高い。

 

無事に2027年を迎えられるか?

2027年にはMAZDAはBEV専用プラットフォームを使ったモデルが登場するスケジュールになっている。BEVの販売が義務付けられる欧州などの「意識高い地域」には、MX-30EVが既に投入されている。ロータリーエンジンを搭載した発電モジュール付きBEV(シリーズHV)も実用化されている。これが2027年のロードスターの電動化が予想されるタイミングで、BEVのスポーツカーを開発すると同時に、ロータリーで直接駆動させてしまう高級なスポーツカーも登場するのだろう。

 

エンジンで直接駆動するモードを持つBEVは、極めてホンダのe:HEVに近しいシステムと言える。2025年発売の次世代CX-5で「MAZDA版e:HEV」が登場し、このフィードバックを得て、2030年までにロータリー駆動式BEVが発売されるスケジュールかもしれない。2019年に発売されたスカイXも、約5年のフィードバック期間を経て、いよいよ年内にも直6になって縦置きシャシーに導入されるようだ。どれを買ったらいいのですかね!?