マウンテン・ゴリラのカーライフ

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スープラ スポーツカーとはオッサンのダサさの具現化!?

 

スポーツカーの定義

スポーツカーを買うってのはとても贅沢なことだ。普段はシューファーカーの後部座席に乗っていたり、Eセグの真面目なサルーンで参上する紳士が、ごくごくたまに使う変化球的なクルマ・・・ってのがスポーツカーの立ち位置。いつもはBMW7シリーズやレクサスLSに乗っているエリートが、突然のエスコートにジャガーXK(もちろん木目パネルの初期型)でやってきたら、そのギャップで99%の女性はオチる・・・という仕組み。

 

雰囲気を作るのがスポーツカーブランドの仕事

しかしそんな風情のある演出ができるスポーツカーが年々減っているのも事実で、とうとう「じゃない側」のBMWトヨタが手を組んで畑違いのスポーツカーをプロデュースしてしまったようだ。普段はレクサスで、変化球がトヨタのスポーツカー・・・これじゃ演出も何もないだろうに。同じブランドってのはやっぱりキツいかもしれない。パナメーラ & 911はどーしようもなくベタなセンスが丸出しだし、アテンザ & ロードスターではさすがに十分なステータスが演出できない。XJ & Fタイプはそこそこまともなコンビかもしれないが・・・。

 

 

悪くは無いけど・・・何も起こらない

レクサスLS & スープラ あるいはBMW7シリーズ & Z4もまあどちらも有名ブランドだけあってポルシェ・コンビ並みにベタだ。BMWの骨太なシャシーに、音だけはしっかりチューンされたエンジン・・・がダメというわけではないけどさ、一体このクルマは何のために投入されたのか!? クルマにも精通しているエリートが使う渾身の「変化球」としては、あまりにも引っかかるところが少ない(使いものにならない)。勝手な決めつけはご法度だろうけども、スポーツカーが好きなノマドワーカーが四六時中乗り回すクルマ!?の方がイメージに合っている。要するにスポーツカーの皮をかぶったフツーのクルマ。

 

 

インテリアこそスポーツカーの心臓

そもそもスポーツカーにフツーの乗用車と同じ居住性を与えてはダメなのかもしれない。アルファロメオ4Cはそういう意味でインテリアに関しては十分にスポーツカーを名乗る「資格」のあるモデルだ。残念ながらショートストロークの1750TBを使っているものの4気筒ユニットではさすがに人気が得られなかった。そこでアルファは再びスポーツカーに正しい秩序をもたらすべく伝統の「8C」をプロパーモデルとして復活させることを計画しているらしい。

 

 

 1978年組

1990年くらいまでの日本のスポーツカーの面影を辿ると、そこにはアルファロメオ8Cのような「非日常」への挑戦を思わせる、文化的に大いに語る価値のあるモデルが多い。バブル期という日本の歴史上で最大の「外貨獲得期」に作られたモデルであるがゆえに、ひたすらに米国や欧州の市場を研究したモデルが多かった。そして何より「本物を追求しなければ追い越すことはできない」という覚悟がそこにあったように思う。1978年に2代目フェアレディZと初代RX-7、そしてスープラの原型とされるA40型セリカXX(北米ではスープラ)が発売される。この時点ですでに「Z」と「7」はMT装備のピュアスポーツ志向であり、「スープラ」は4ATも用意され車体も4600mmに達する当時としては堂々たるビッグクーペであった。詳細は省くけども1978年に登場した原型たる3モデルはあらゆる可能性を宿した画期的なモデルだったと思う。

 

 

 日本版の6シリーズになる予定だった!?

A40系以降5世代にわたって「直列6気筒」を採用し続けていることが、スープラアイデンティティとして主張されているが、その裏には歴代スープラトヨタが経験した文化的な挫折が覆い隠されている。1978年当初のセリカXX(スープラ)は同じく北米向けの日本車スポーツカー(Zや7)とは異なり、1977年に登場したBMW6シリーズに近い存在だった。4755✖️1725✖️1365というプロポーションを誇った初代6シリーズは、瞬く間にBMWのイメージアイコンとなり、後継の初代8シリーズへとそのコンセプトは受け継がれた。

 

 

失意の中で生まれた奇跡

日本版の6シリーズとして登場したセリカXX(スープラ)は、1981年にソアラが登場したことで6シリーズ路線はあっさりと放棄され、3世代目の4620mmをピークにサイズダウンの方向へ向かう。Zや7のように2シーターになるわけでもなく、NSXのようなスーパースポーツ志向でもなく、1989年に誕生したレクサスブランドの2ドアモデル枠もソアラに奪われたのだけど、そんな失意の最中の1993年に登場した4代目(A80系)は、トヨタが時たま見せる「確変デザイン」の大当たりとなり、たった1世代で「スープラ」の価値を世界に知らしめ、排ガス規制によって2002年にトヨタ直6エンジンとともに惜しまれつつ消えた。

 

 

トヨタの情熱によってBMWは限界を超えてしまった!?

BMWが開発した新型スープラは、5世代の中で全長は最も短く、ホイールベースも短縮された。BMW6シリーズになれそうな場所からスタートしたモデルがたどり着いたのは、マツダロードスターの粗悪コピーによる世界的なブーイングからシリーズが始まったBMW・Z4との合弁。もはや「ずっと直6です!!」というしかない流転のシリーズなのだけども、BMWを無理やり説得して先代Z4よりもさらにホイールベースを短縮させた甲斐もあって、サーキットで輝ける王道スポーツカーになったらしい。新型Z4のサーキット性能はBMWのこれまでの常識を超えたレベルに到達していて、S55ユニットを搭載するM2のタイムをN55のままチューンしたZ4が軽く上回ったらしい。

 

結論は・・・

冒頭に述べたような「変化球」としての機能は、とりあえずはほぼほぼ無いと思われる新型スープラだけども、休日の早朝に朝霧を求めて気ままに駆け出すか、夜に女性を密会場所にエスコートするときだけに使い、ほんの2時間も走ったら休憩したくなるようなスポーツカーはあまりに贅沢過ぎる。2シーター化によりどこか洗練された空気は感じるし、基本構造はBMWなのでトヨタっぽい怠い雰囲気も無い。エキゾーストもいい感じで細かいことに目を潰ればトヨタ版の「8C」いや「6C」と言ってもいいかもしれない。朝も昼も夜もハッチバックSUVのようにまめまめしく走る乗用車風情なスポーツカーでいいじゃないか!!86のちょっと豪華版が欲しいという声には十分応えているし、色々と今後の可能性を感じさせてくれる出来栄えだな・・・。

 

 

 

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