マウンテン・ゴリラのカーライフ

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MINI 日本のコンパクトカーを蹴散らすマーケティング

なぜ輸入小型車の鬼門・日本で売れるのか!?

2018年3月に続いて2019年3月も日本市場で3000台の大台を突破した、イギリスの小型車ブランド・MINI。通常の月も2000台程度をコンスタントに売っているのだけど、300万円以上するノート、400万円以上するカローラスポーツカローラフィールダーがこれだけ売れるのは凄いことだ。もちろん日本メーカーの同クラス車もそれなりに数字は出ているけど、その多くは法人向けのフリート販売だったりするわけで、単純にBtoCで1台1台を別のユーザーに届ける個人向けに限定すればMINIの販売はかなり優秀だ。

 

 

成長率ナンバー1かも

日本メーカーの小型車デザインも決して「安かろう悪かろう」ではなく、その多くが主要市場で堂々と販売されているグローバル・デザインを使っている。そう簡単にデザインだけでMINIが優位を確立できる市場ではないし、実際にほんの5年くらい前までは月に1000台も売れていなかったわけで、ここ数年で目に見えて日本にMINIユーザーが増えている。その増加率は全ブランドでも1、2を争うくらいではないだろうか!?なぜこのブランドは「四面楚歌」の日本で成長できるのだろうか!?

 

 

売れるべくして売れているように見えるが・・・

興味がない人にとっては、「あのオモチャみたいなクルマを欲しがるなんてミーハーな勘違い野郎」くらいに思っているだろうけど、実際のところ日本市場向けのMINIラインナップは余すところなく日本市場にハマるべく厳選されている。その仕事ぶりはトヨタよりも優秀じゃないか!?ってくらい。MINIのオリジナルのスタイルは「3ドア」であるが、このスタンダードなボデータイプには一部のディーゼル車以外全てのグレードに運転を楽しむスパイスとして「MT」が用意されている。MINI本来のファントゥドライブを求めるユーザーにとっては1.5Lガソリンターボ(102ps版)の最廉価グレード「ワン」でも楽しいんじゃないだろうか。1180kgの車重に19kg・mの最大トルクがあれば十分にスポーツできるけども、このモデルがわずか238万円。アクアやノートe-POWERと大して変わらない価格で手にはいる。

 

 

 3ドアと5ドアのキャラ分けが的確

この3ドアのボデーを拡大して全長を4mまで伸ばしたのが「MINI5ドア」で、これはノート/ルーテシアやデミオといった既存のBセグコンパクトカーの各モデルとほぼ同サイズだ。ハイセンスなライフスタイルを求めるファミリー層に向けてのパッケージを考慮してなのか、全てが自動変速ミッション装備車でありMTの設定はない。この辺の割り切りがとても素晴らしい。下手に5ドアにまでMTを設定したりすると、ちょっと買いづらくなったりするかもしれない。「MTを楽しむから小型車」という王道の買い方がまだまだこれからもずっと幅を利かせるだろうし、当然に車格を考えるとユーザーはMTを選ぼうとするだろうけど、おそらく小さな子供がいる家庭では無難に夫婦どちらも使えるAT/DCT装備車が無難な選択だろう。インポーターも余計なユーザーの葛藤が起こらないように、全てを見越してMTを設定していないのだろう。

 

 

唯一無二のコンバーティブル

3ドアをソフトトップにした「コンバーチブル」は、現行のMINIラインナップで最も個性派になるのだろうけど、ちょっとした休日に自然溢れるワインディングロードで小旅行を楽しみたい人にとっては「こういうモデルが欲しかった!!」じゃないだろうか!? 日本メーカーは2シーターのスポーツカーじゃないとオープンにしてはいけない!!みたいな暗黙のルールがあるのかもしれないが、ノートe-POWERコンバーチブルなんてあったら良さそうだけどなー。観光地のレンタカーにも最適じゃないだろうか!?2013年の東京MSにはアクア・コンバーチブルが出品されていたが市販化はされなかった・・・。

 

 

フィールダーと並び立つ異才

MINIの「カローラフィールダー」的な存在の「クラブマン」は、ユーティリティとブランドの個性が両立したハイブリッドパッケージ。200万円でとことん使い倒せるカローラフィールダーは万能で優秀なのだけど、322万円で「クラブマン・ワン」という先ほどの1.5Lターボ(102ps)が搭載されたベースモデルが買える。この「ワン」はパワーウエイトレシオで見ればフィールダーの各グレードに対してそれほどアドバンテージはないけど、3ナンバーサイズのワイドなデザインは5ナンバーの現行フィールダーよりも車格が上に見えるし、走りもズッシリとしていてハンドリングもシフトフィールも小気味良い。それにしても日本車でもトップクラスのコスパを誇るフィールダーと比較して悩むレベルってなかなか凄いです。378万円の「クラブマン・クーパー」は1.5Lガソリンターボ(136ps)でゆとりのパワーですが、これはちょっと高いかなー・・・。

 

 

 もはや日本車?ってくらいにピッタリだ・・・

クラブマンの全長は4270mmで取り回しが非常にしやすいし、2670mmのホイールベースは走りにスポーティさの演出を残すには絶妙なサイズだ。同じホイールベースで全長を4315mmまで拡大し、全高も1595mmまで上げて居住性を高めている「クロスオーバー」も日本市場のサイズにはピッタリの設計となっていて、日本市場の他の様々なCセグの中でも最も需要が大きいポジションのサイズを捉えている。売れ線の「クロスオーバー・クーパーD」は2Lディーゼルターボ(150ps)で411万円。スバルXVの「e-ボクサー」がおよそ300万円、三菱エクリプスクロスも自慢のAWDモデルがおよそ300万円ではあるけども、ステータス、走り、経済性などを加味すると「クロスオーバー・クーパーD」も十分に競争力があるよなー。

 

 

今後の展開は!?

他にも高性能なディーゼルを積む「クーパーSD」グレードや、PHEV化されている「クーパーS E」グレードなど、よりギミック度を高めたモデルもある。小型車にハイテクを積む意味がどれほどあるのかよくわからないけど、ドッカンと走るディーゼルや、自宅の夜間電力で充電したい人もいるかもしれない。それにしてもどのボデータイプのどのグレードも、ちょっと考えればユーザー層やライバル車が見えてくるから不思議だ。世界最強と思われる日本メーカーのBセグ、Cセグを相手にここまで器用に立ち回れるのはおそらくMINIだけだろう。さすがはアメリカでも正規販売されている「メジャーリーガー」だ!!

 

 

「ミニ、プジョー、ボルボが日本で好調なメカ的な事情」

 

 

 

 

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