マウンテン・ゴリラのカーライフ

最高に面白いクルマのブログを作りたい!!(もちろん全編フィクションです)

VWゴルフ と ホンダ・シビック Cセグの名門が一斉解禁

 

 

新車市場が活況

日本市場で久々にブログで書きたくなるようなモデルの発売が相次いだ。なんだか久々に楽しい気分になっている。VWゴルフとホンダ・アコードはどちらも「横置きFF」を代表するモデル。世界中で一番多く走っているのが「横置きFF」であるけど、革新的な「走り」で普及に貢献したゴルフGTIとシビックtypeRも遅れて導入される見込み。おそらくこの両シリーズが、それぞれ北米市場で一番売れた日本車とドイツ車だと思う。日本車のボスとドイツ車のボスの「タイマン」。

 

横置きFFの50年

MAZDAが縦置きFRシャシーを新たに作ることを発表し、先日も渡辺陽一郎というAJAJ評論家が「世界の流れに逆行」とか書いていたけど、ゴルフGTIやシビックtypeRがアウトバーンの追い越しレーンを闊歩するようになったのは80年代、90年代の話であり、横置きFFが世界を制してからもう軽く30年は経過している。かなり後になってからメルセデスBMWアウディといったプレミアムブランドにも横置きFFが導入されて、爆発的な広がりを見せているけど、この3ブランドが独自に新型シャシーを開発したわけではない。日本車とドイツ車の実力が拮抗した1990年頃に設計されたシャシーが、今も改良されて使われ続けているに過ぎない。

 

 

世界を飲み込んだFF

2000年頃には業界再編がグローバルに行われ、ゴルフやシビックも時代の波に飲み込まれた。1998年に発売された初代フォード・フォーカスが、傘下に収めたMAZDAシャシー&サスペンションを使って仕立てられ、この刺客の前に欧州市場で圧倒的な強さを誇っていたVWゴルフ(4代目)が販売台数で惨敗するという事件が起こる。1990年頃の日本の平均所得はイギリスやドイツの2倍近い水準にあり、その頃の青天井の研究開発の成果もあり、1990年代ホンダやMAZDAフェラーリが使うようなサスをFFモデルに採用していた(レジェンド、インスパイア、アコード、ミレーニア、アテンザなど)。CセグのシビックやファミリアにもメルセデスEクラスやBMW5シリーズと同等のサスが奢られていた。

 

 

弱肉強食

ホンダ&MAZDA主導によるFFのサス革命は、プジョー406/407、アルファロメオ156/159などにも伝播し、メルセデスCクラスやBMW3シリーズよりも豪華なサスのDセグFFがリーマンショックで一斉に消えるまでトレンド化していた。欧州フォード&MAZDAによって面目丸つぶれとなったVWゴルフは、MQBシャシーのベースとなる第五世代に移行する際にフォーカスのエンジニアを大量に引き抜き、後輪マルチリンクを採用するMAZDAと同じ形式のシャシーを作り上げ見事に復権を果たした。第五世代ゴルフと初代アクセラ(MAZDA3)が同じ年に発表され、この2台がWCOTYで全く同じ得点で同点2位に輝いた。

  

 

 

国際紛争を引き起こすホンダ

ホンダも欧州進出に際して、当局からの批判を回避するために経営難に陥っていたローバーとの提携によって、穏便に欧州への大規模上陸を果たした。ローバーの工場でホンダ車ベースのホンダ車とローバー車が生産された。80年代のホンダの北米進出は大きな貿易摩擦を生んだ。まだまだ規模が小さかったホンダだけど、北米ビッグ3の幹部は「アコードの登場によってクルマの技術ステージは完全に変わってしまった!!」と嘆いた。たとえ弱小のホンダであっても、アメリカ車とは性能と生産技術が違い過ぎる。まだ弓矢で戦争している国に、マシンガンで乗り込んで来たのがホンダだったようだ。

 

 

フェラーリを葬る

すでにメルセデスBMWVWがその技術力で、北米シェアを奪っていたドイツメーカーが君臨する欧州市場は、さすがに弓矢ではなく、火縄銃くらいの戦場だったと思うが、北米での大勝利で規模を大きくした90年代のホンダは、すでに「フェラーリは博物館行き」とビッグマウスを吐くほどにふてぶてしい存在だった。F1でも大活躍し、欧州侵略への野心を隠さない。実際にホンダとの提携でフルラインナップが入れ替わったローバーの業績は好転しつつあった。急転直下の出来事があり、ホンダの欧州侵略を止めたのはドイツの名門BMWだった。「FFのビーエム」とか言われていたホンダの技術を高く評価していたようで、M&Aでローバーを買収した。

 

 

 

三大FFシャシー

ホンダ&BMWは、かつて北米と欧州を恐怖に陥れたホンダFFシャシーのルーツを引き継いでいる。一方でVWに技術ベースを奪われたMAZDAFFシャシーは、フォード、ボルボ吉利汽車アウディ、ランドローバー(イヴォークなど)、キアへと広がりを見せており、その主流を受け継ぐMAZDA第六世代シャシーは、トヨタのTNGAによってコピーされた。さらに90年代の傑作横置きFFシャシーといえば、ホンダ系やMAZDA系を凌ぐ大きな一族を形成している三菱系だ。メルセデスアルファロメオジープ、ダッジプロトンヒュンダイほか、中国メーカーにも広く提供されている。

 

 

MAZDA組の勢いが止まらない

20年も前に枝分かれしたルーツなので、今ではすっかりオリジナルといってもいいのだろうけど、FF3大派閥によるライバル関係という関心を持ってCセグの新型車を俯瞰すると楽しい。VWゴルフが属する「MAZDA組」は、本家のMAZDA3と、新たに欧州でも台頭してきたカローラが非常に高い完成度を誇っている。新たにVWゴルフとアウディA3が参戦して「身内の戦い」も激化しそうだ。MAZDA3やカローラにはない魅力は、先代ゴルフではいくつか感じることができた。特にGTIのバランスの良さは「MAZDA系」の頂点と言ってもよかった。

 

 

 

HONDA組の大将格が参戦

BMWとMINIが奮闘する「ホンダ組」だけど、「MAZDA組」やメルセデスAクラスがリードする「三菱組」の勢いに押され気味。ローバーに裏切られ痛い目にあったホンダが、その後は「栄誉ある孤立」政策を取ってきたこともあって同胞メーカーが圧倒的に少ない。数少ない仲間のBMWグループに対して「遺恨」もあるだろうけど、ホンダの技術を接収するために少なくないカネを払い、さらにプライドを捨ててBMWブランドでホンダルーツのシャシーでクルマを仕立てている。今ではブランド販売の半分以上をFF車が占めている。かつては8000rpm超の超高回転エンジンの開発でしのぎを削ったライバルでもある。

 

 

エンジンブランドの大同団結を!!

いっそのことe:HEV技術もBMWグループに提供し、苦境のBMWグループを救ってあげてはどうだろうか!? e:HEVが搭載されば再び日本市場でも3シリーズの人気が再燃するだろうし、ホンダのハイブリッド技術をPRする機会にもなるだろう。シビックにも来年にはe:HEVモデルが登場するとのことだ。本体価格が300万円を超えるtypeRでもないシビックを売るのは簡単ではないだろうし、日本向けユニットが見つからないBMWにとっても渡りに船だろう。双方にとってe:HEV導入は良い話だと思うが・・・。