Mスポの本当の意味
『M』が頭に付く自動車ブランドといえば!? 『Mercedes』『Mazda』『MINI』『Maserati』『McLaren』『Mogan』『Mitsubishi』『Mitsuoka』この8つのメーカー&コーチビルダーから何を連想する!?「走り」「スポーティ」「官能」「デザイン」など豊富なイメージが湧いてくる、非常に「価値がある」ブランドが揃っている。
Mの日本侵略
世界のブランドの頭文字は A、B、C、L、M、P が多いですけども、この中でも一番粒ぞろいなのが「M」だと思う。単なる偶然と言われたらそれまでなんだけども、Mの連鎖というべきか、Mが頭に付くブランドはしばしば閉塞気味な市場(日本など)を打破するのが得意な気がする。メルセデス、マツダ、ミニは日本で新たな市場を開拓している真っ最中だ。
Mercedes
不動の輸入車ブランド・ナンバー1となったメルセデスは、サルーンの売り込みが上手い。単なる伝統やネームバリューではなくて、一つのメーカーとして目一杯のクリエイティビティを発揮している。メルセデスであっても2000年代にどん底を味わったし、当時の批判を真摯に受け止めつつ、独自の考えで新型モデルを開発している。ガラリとイメージが変わった現行Cクラスに販売台数で勝てるDセグ以上のサルーンはトヨタにしか存在しない。
マツダは予想外に上級SUVで成功した。350万円、400万円、450万円・・・トップグレードの価格はどこまで上昇するのだろうか!?予定されている高級シャシーのCX-5やCX-8が投入されれば、レクサスと肩を並べる可能性はかなり高いと思う。NX、RXと同程度の価格で販売台数では圧倒できるかもしれない。もしそんなことが起これば、トヨタのメンツは丸つぶれで、あの社長のことだから「もっといいクルマを作れー!!」ってムキになるんじゃないだろうか。
Mini (by bMw)
ミニはなんと今や2500台/月くらい売るブランドの成長した。大きくなり過ぎとか言われているけども、どー考えても日本市場ではジャストフィットなサイズのクルマばかりだから売れて当然だ。3年くらい前まで月に1000台も行かなかったことを考えるとこの急成長は、トヨタ並みに凄いマーケティングだと思う。作り込み具合もトヨタC-HRのようなヒット車に引けを取らない手が込んだデザインが印象的だ。
Maserati
マセラティは2000年代の後半くらいから日本で目立つようになってきた。あっという間にクワトロポルテが高級サルーンの代名詞として港区を代表するクルマ(区のクルマ・非公式)となった。その後に登場した廉価版のギブリはかなり敷居が下がって東京近郊の多摩地区でもよく見かけるようになった。一気に月1000台クラスにまで成長する予感もあったけど、やはり守るべきものを見失ってはいけないのかもしれない。ギブリとレヴァンテの投入でブランド価値が下がり求心力を失いつつあるらしい。ドイツ車(メルセデス、BMW、アウディ、VW)と客層が同じになったらちょっと危険な感じがする。『区のクルマ』のポジションはウラカンに狙われている!?
三菱自動車は世界に広く普及した直噴ターボの生みの親。さらにフィアット=クライスラーもメルセデスもヒュンダイ=キアも三菱由来の横置きシャシーを使ってFFモデルを作り続けている。アルファロメオ・ジュリエッタなんてシャシーもエンジンも、それぞれに三菱が開発したものを使っている。アバルト124スパイダーなんてマツダのシャシーに三菱のエンジンが乗っかった夢のコラボだ・・・。
Mのカーライフ
なんで『M』が頭文字のブランドはこんなに優秀なんだ!?メルセデス、マツダ、ミニ、三菱があればカーライフは十分に満足できる!!日本市場に必要なのは、メルセデスのサルーン。マツダのSUV。MINIのコンパクトカー。三菱のファミリーカー。あとマセラティ、マクラーレン、モーガン、光岡があれば・・・これからのカーライフは十分に楽しいと思う。なんでも揃っているし。
Mの共通スタンス
少々強引な結論かもしれないけどさ、『M』が頭文字のブランドはどこもあまり無意味に虚勢を張ったりしない。どっかのブランドと過剰なまでの製品開発競争を仕掛けたりはしない。どのブランドも「MはMであり、他は他だ!!」という割り切りの精神が光る。どのブランドもトヨタやホンダに無意味に競りかけたりはしない。
Mercedes
トヨタが日本市場にカムリHVやレクサスESを投入しても、メルセデスは極めて自然体のままだ。日本市場でSUVが売れないならば、粛々とサルーンを売っている。クラウンやカムリの方が経済的だし耐久性も優れているだろうし、基本性能ではほぼ負けるところがない。それなのにC200を買ってみたくなるから不思議なものだ。先代は思いっきり苦戦したのでブランド力だけではない。確かにネームバリューはあるけど、名前負けしない製品力を独自の着眼点でクリアしてきたってことだと思う。
Mini (by bMw)
ミニは小型車大国・日本に独自の方法論で乗り込んできた。欧州メーカーにとって日本の小型車市場は難攻不落だけども、ミニはどこに競りかけるわけでもなく、気がつけば2500台/月の販売を数えるようになった。アクアとノートe-POWERが骨肉の争いをしている脇で、3年ほどで2.5倍に販売を増やしている。当初はVWやBMWへの逆風の受け皿になってラッキーとの見方があったけども、VWの販売が復調してもなお販売が伸びている。必須と思われるセットオプションが高額なので、BMWと同等のエンジンを積んだMini車の方が支払い総額は高い・・・けど売れる。どのメーカーも「サイズと作り込み」だけで日本で勝負できるとわかっているけど、できているのはMiniだけ。他社は価格勝負ばかり・・・。
マツダのSUV戦略は、開発/供給/販売で圧倒的に優位にあるトヨタやホンダの脅威になっている。CX-3はやや大胆さに欠けた感じで、ヴェゼルとC-HRの前に伸び悩んでいるけども、中上級クラスで跋扈するCX-5とCX-8はあっという間に実力が世界トップレベルであることを示した。CX-5は発売から5年で年産40万台超え・・・モータリゼーションの時代にタイムスリップしたかのような錯覚が!!しかもほとんどが飽和気味の先進国市場でまるで『ライバルはいない!!』・・・かのように売れまくっている。生産ラインが足りないからスライドドアのミニバンは全部廃止って・・・。
↓『Mの衝撃』