マウンテン・ゴリラのカーライフ

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ポルシェの軌道修正

PORSCHE

 俺たちのポルシェ911はイケているのか！？

　　ポルシェ９１１シリーズは50年以上の歴史を持ち世界中にファンがいる。映画『アイ・アム・サム』にも、準主役格の敏腕・女性弁護士が仕事などの日常の移動に使う『手軽なマシン』として登場するなど、アメリカでは『社会進出を果たし成功した女性のクルマ』として人気があるようだ。日本でも全国津々浦々に愛好家がいて、どこの街のメインストリートでもしばしば見かけるし、休日になれば家の目の前の道路を5〜6台は通ってますね。東京都多摩地区では86やロードスターと並んで定番のスポーツカーです。

 

歴史を全部背負った装飾品！？

　　1950年代に911シリーズの前身モデルだった356のスポーツモデルで事故ったのがジェームス＝ディーンであり、1960年代のドラッグクイーンであるジャニス＝ジョップリンの愛車もまた356だった。911シリーズは最初はごくごく普通の乗用車に過ぎなかったらしい。つまりメーカー開発者が傑作スポーツカーを狙って限りなくサーキットマシンに近い設定を詰めるモデルではなく、ごくごくありきたりの乗用車を、多くのユーザーが愛情を持って「スポーツタイプ」へと仕立てたクルマに分類してもいいと思う。つまりはトヨタのハチロクことAE86みたいな成り立ちを持っている。

 

上昇と低迷

　　そんな911シリーズは現行モデルにおいて、何をユーザーに与えてくれるクルマになったのか！？もっともベーシックな『カレラ』『カレラ４』が使う3Lターボが370ps。最上級グレードに位置するのがターボのスペシャルモデル『GT2・RS』で700psに到達している。爆発的なエンジンパワーを武器にしたヒルクライム・スペシャルですね。頭文字Dの主役格が駆るマツダRX7FD3Sがブーストチューンで370psくらいという設定でした。そしてそのライバル車として登場しら34のスカイラインGTRが700psくらい！？

 

ステージに立つためのクルマ

　　ドリフトイベントほどイメージは悪くなく、ラリーよりも危険も少ないので、日本でもあちこちでヒルクライムイベントが開催されるようになっていますが、911シリーズの他に、これらのイベントで花形になれるモデルが・・・35GT-R、アストンマーティンDB１１、AMG-GTといった近年やたらと洗練度を高めたスーパースポーツです。ヒルクライムイベントに出たい！！という人が買う趣味性の高いクルマ。

 

世界を切り取るスーパースポーツ

　　確かに弱タービンの４気筒車でターンパイクを駆け上がるのは欠伸が出そうになる。無理するとエンジンが相当ダメージを受ける。山頂で停めるとインタークーラーが２時間回りっぱなし。山が高い関東地方でドライブ趣味を極めるならやはり400ps級のツインターボを1500万円で買うしかないのか・・・。

 

ブランドとユーザーの危い関係

　　５年均等償却でも年300万円！！月25万円！！これ以外に車両保険が月に５万円くらい。でも償却後残価も500万円くらいはあるでしょうけど・・・。乗用車を所有する普通の感覚だと考えられないですが、年300万円分くらい漫画やDVD買ってる人いませんか！？アイドルのCDとか・・・。

 

誰か俺を止めてくれ！！

　　この前どっかのブログで書いたけども、21世紀に生き残りをかける巨大メーカーは、戦略的にスーパースポーツを仕掛けている。世界にはすでに・・・有機野菜と国産和牛しか食べない選択をした人もいる。一粒1000円とか5000円とかするイチゴを頬張ってビタミンCを補充し、たんぱく質を得るために100グラム5000円以上の牛肉しか口にしない偏食野郎が・・・いるかどうかは別にして、そういう生活に憧れるバカは腐る程いるらしい。イチゴ、牛肉、ファーストクラス、スイートルームとインスタグラムだけで生活するストイックな人々は、500万円のクルマなんか興味すら持たない。

 

718ボクスターは化学調味料と着色料まみれ！？

　　『カーセンサーエッジ』を見ると、セレブなクルマの移りゆく中古車相場がわかる。同じポルシェでも、911ターボと718ボクスターSとでは全く価格が違う。不思議なことに370万円の718ボクスターが、600円のコンビニ弁当に見えてくる。これ食べたら体に悪いものがたくさん入っているんだろうなー。ネガティブなイメージしか商品から伝わってこない。偏った先入観を持ってしまった消費者は、すでにコンビニエンスストアのマーケティングから完全に締め出されつつある。

 

世の中は『上』が勝つようにできている！？

1300万円の中古価格がつけられた911ターボからは、ポジティブなバイブレーションを感じる。価格って怖いよなー。中古で1300万円って絶対にいいクルマじゃん。370万円の718ボクスターは数年乗ったら100万円以下になるだろうけど、1300万円の911ターボは、なんか1000万円以上で売れそうな予感すらする。だってこれならヒルクライムイベントの書類審査一発で通る。どこでも名刺代わりの顔パス。同じポルシェでも718ボクスターでの出場はなんかのコネがないと無理だろーよ。

  

 

718ボクスターに4L自然吸気を積むらしい。　コンビニ弁当の中身を『健康的なもの』に変えて、世界中のイカれた偏食野郎に売りつけようとしている。けどこれこそが21世紀の自動車メーカーに求められている仕事でもある。コンビニ弁当はもう買わないのだから。

 

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