マウンテン・ゴリラのカーライフ

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Jaguar XJ(2018 / NO1) 全ての理屈を押し通した理論派サルーン

 

ジャガーサルーンの行き先

米国では高級サルーンとして一定の支持を受けているジャガープレミアムカー市場が完全にバブルで、メルセデスBMWも中国市場では10~20%増が当たり前になっていますが、ジャガーはなぜかCセグを作らなかったので、この成長にはイマイチ乗れなかったようです。

 

ジャガーの魅力はプライド

同じグループのランドローバーは、某国メーカーが設計した横置きFFシャシーを使ったレンジローバー・イヴォーグとディスカバリースポーツを投入して一定の成果を得ていましたが、そのシャシージャガーに転用したモデルがやっと今年発売になるようです(Eペース)。メルセデスBMWはFF横置きエンジンのメーカーにM&Aを仕掛けてそのノウハウを手に入れましたし、アウディは同グループのVWを流用しましたが、ジャガーも決してファンダメンタルズの不足ではなく、FFを仕掛ける有利な状況にあったわけですが・・・。

 

マセラティより売れないのはなぜ!?

Cセグの入門車を作るぐらいなら、スポーツカーを作りたい!!というヤンチャな気持ちが幹部の頭を支配していたのでしょうか? そんなジャガーの方針に対して、中国市場や、最近かなり貧乏くさくなってきた日本市場は、全く興味を示していないみたいです。平均所得がカタールの半分以下の水準になった日本にはもはや受け入れ難い価格帯のブランドになったのは否めないですが。ちなみに去年12月の販売台数は237台。同831台のポルシェや295台のマセラティよりも下となると、価格だけの問題ではないのかも。

 

イアン・カラムは生きる伝説かもしれないけど・・・

ジャガーのチーフデザイナーを務めるイアン・カラムは英国自動車産業が誇るカリスマですが、正直言って日本市場を騒つかせるのだったら、もっと奇抜なデザイナーを抜擢した方がよかったかも。日本でもヒットしたレンジローバー・イヴォーグとまとめた若き才能ロバート・メルビル(当時はまだ30歳くらい)みたいな新たな才能があれば・・・。アウディで決定的なデザインを連発した和田智だったり、マセラティから魅惑のサルーンを生み出した奥山清行だったり、日本人の起用でもよかったんじゃない!?あくまで素人の意見ですけど。

 

ジャガーの愛すべきところ

誤解を恐れずに言ってしまうと、ジャガーとは『小手先』を駆使するブランドだと思う。バブル期に完成させた当時世界最速をマークしたスーパーカーはともかく、それ以外のモデルに関しては、抜け目なく手を入れて「いいクルマ感」を演出するのが大好きなブランド。とにかく手数が多いので、ジャガーのレビューを読んでいると、たまにイライラしますね。コイツはジャガーの価値がわかってねーんじゃ!?って思うこともしばしば。この感触は・・・ちょっと某日本メーカーに似ていると思う(あの小手先感全開の西日本メーカー)。

 

とにかくわかりやすい。

なんでわざわざボデーをアルミで作るのか!?どうやら軽量化の為ではないらしい。例えばXJだとざっと2トンあります(効果なし)。たぶんアルミニウムを使えば電気代がアホみたいに高いドイツや日本のメーカーの設計に対抗できる素材だといういかにも・・・な考えから来たものだと思います。そしてスーパーチャージャーを採用するのも、根本的に過給エンジンのレスポンスに懐疑的であり、(ドイツメーカーやフェラーリすら気にしなくなった)その瑕疵を看過しないという、ちょっとめんどくさいくらいの「意識高い系」ブランドってのが、まあ世界に一つくらい活躍してもいいんじゃないかと。

 

日本のジジイをぶっとばせ!!

『ドイツ車』が全ての基準になってしまっている日本では、ジャガーがカーメディアでまともに評価されることは極めて稀です。ジャガーへの賞賛がそのままストレートなドイツ車への強烈なアンチテーゼになるから。ジャガーXEも3シリーズ礼賛に染まる市場をアジる目的で、DWBを組み込んだり、BMWを完全否定するかのようなアジリティの高いハンドリングを備えましたけど、日本のジジイ・メディアには「3シリーズのコピー」としか映らなかった、あるいは意図的に歪曲されてました。これが英国メディアでは180度評価が違っていて、完全に3シリーズをあざ笑う『ネタ』として使われているけどね・・・。

 

ジャガーV8スーパーチャージャーへの憧れ

そんなシニカルでクールなジャガーの御本尊はフラッグシップのXJ。ロングボデー版(2069万円)には510psのV8スーパーチャージャー、ショートボデー版に設定された『XJR575』(1887万円)には575psまでスープアップされた同型のV8スーパーチャージャーユニットが搭載されます。マセラティV8ツインターボが発する猛獣の咆哮ではなく、スーパーチャージャーユニットらしい硬質な金属音をかすかに響かせるエキゾーストは、金管楽器の暴走を思い起こさせてくれます。まあご近所付き合いが難しくなるのはマセラティと同じかな・・・。

 

ジャガーの欠点は!?

現行モデルに限った話ではないですけども、ジャガーがイマイチブレイクできない最大の理由は、スーパースポーツサルーンとして「ハード」面での性能には満足だけど、「ソフト」面での完成度がやや無視できないくらいにちぐはぐなところ。残念ながらジャガーらしいエクステリア、ジャガーらしいインテリアの両面を完全に見失っているように見える・・・。今ジャガーに乗っているんだということは、ステアリングのど真ん中にもっこり付いた樹脂製カバーにデカデカとデザインされたロゴによって無理やり伝えられます。

 

人間性が試される!!人生かけて付きあえるブランド(だと思う)

10年くらい前のス◯ルでももっとオシャレだったんじゃない!? とにかくステアリング中央のジャガーマークによって媒介されるブランドとユーザーのコミュニケーションは、はっきり言って失礼ですが、ブランドを楽しむテンションとしては最低水準にあると思います。もう少しどうにかならないものか!?ただしジャガーの達人に訊くと、この不器用さこそがジャガーなんだって・・・エンスーはみんなドMというけど、ジャガー好きってのはあまりにも『痴』に浸りすぎているんじゃねーか!?

 

結論・ジャガーは絶対にブレイクすると思う。

そんなジャガーですが、理想を追っている設計を見ると、ホンダやマツダあるいはポルシェが好きな人には、かなり前向きに受け止めてもらえるんじゃないかと思います。自動車メーカーの存在価値は「こだわり」だとハッキリ言い切ってしまうマウンテンゴリラなエンスーにとっては、絶対になくなって欲しくないブランドの一つじゃないかと思います。いつかガレージにしまって見たいと思わせてくれる貴重な存在。

 

 

 

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