なぜポルシェとマツダは別格なのか!?
「いいクルマの指針」・・・いや正確には「市販車で最高レベルのクルマ」を判断する基準として、英国『TOP GEAR 』のレーティングもしくは、米国『CAR AND DRIVER 』の10BEST-CARが一番ワールドワイドで権威がありそう。現在ではこの両者のトップに位置するクルマは、ポルシェ911シリーズとマツダ・ロードスターだけです。ちょっと前に「ホンモノのスポーツカーは911とロードスターだけ!!」と言い放ったのは日本の沢村慎太朗さんというライターの見立てはほぼ間違っていないのだと思います。
フェラーリやランボルギーニは!?という声もあるでしょうが、英TOP GEARも米CAR AND DRIVERも沢村さんも、排ガス規制に引っかからない(ダウンサイジングする必然性がない)年産9000台以下のメーカーと、それ以外の量産メーカーの間には明確な違いが存在します。当然のことですが、3者ともに良識も持って線引きをしています。ポルシェとフェラーリでは立ち位置が違うという「法律上」の知識すら持たないレベルの人々がポルシェやフェラーリを同じ土俵で語ってしまっている。そんなカーメディアに金を払っている馬鹿野郎が日本人ってワケです。
911とロードスターは何を競っているのか!?
911とMX5(ロードスター)、一方は1000万円以上する高級スポーツカーの代表格であり、もう一方は300万円足らずで買える「みんなのスポーツカー」。オープンカーの世界累計販売でギネス記録を持つ大ヒットシリーズです。ポルシェのファンからすれば「一緒にするな!!」ってところかもしれないですが、これマツダのファンからしても逆に「(魂を捨てたブランドと)一緒にするな!!」って意見もあるでしょう。
いずれにせよ英TOP GEARの『現行モデル・レーティング』で10点満点を出しているブランドは、マクラーレンがモデルチェンジで9点になってからは、ポルシェ、マツダのみになりました。もはやターボエンジンが載っているだけで10点は付かなくなっている!?英TOP GEARの見解によると、NDロードスターと、911『GT3』のみが『究極』を名乗れる資格があるようです。
ブランドアイコン
日本での価格はおよそ2100万円の991GT3は、RWD『スーパースポーツ』の理想を追求しましたけれども、果たして「911シリーズ」というフォーマットは、多くのクルマ好きに心の底から喜びが湧き上がるようなドライビングを提供する上でを最良の選択なのか!?という疑問もあります。日本メーカーのバブル期のスポーツカーに大きな影響を与えたのは、当時の930(2代目911)ではなく、FRの924やミッドシップの959やカレラGTであることは誰の目にも明らか。その後の経営不振で911シリーズを残す選択は生存戦略としては妥当だったわけですが・・・ブランディングに軸足を置くポスト・バブルからさらに時代は移ろいでいるように思うからです。
決めつけのように言い切ってしまうと、もはや911シリーズの存在はスペシャルティカーの発展を阻害する「足枷」みたいなものじゃないか!?という気もします。カイエン、パナメーラ発売以降のポルシェにとって、911とは「アンタッチャブル」な存在になりつつあります(911で稼ぐ必然性はなくなった!?)。唯一の合理的な販売理由は、ポルシェのクルマでサーキットを楽しむという、ごくごく標準的なポルシェファンのために惰性で作られている「スバルWRX」みたいな存在。つまりブランドのアイコン。
スバルにとってWRXが、日産にとってGT-Rが経営の収支にどれだけ影響を与えているかを考えれば、911の価値もまた推し量れます。ボデータイプが多く、エンジンも複数作り分けられているので、なんだか主力車種であるように錯覚するけども、そのレパートリーの多さと知名度がそのまま価格に転移されているだけの「素っ気ない」スポーツカーとして、ファンの期待に応えるためだけに義務的に開発しているという意味でスバルや日産に似てしまっているのかも。
ポルシェ/マツダと日産/スバルの違いとは!?
どう表現したらいいかわからないですが、マツダやポルシェのようなワールドワイドなブランドが新しいスポーツカーを開発するにあたって、当然に様々な意見にさらされます。欧州や北米市場ではマツダMX5に2Lターボの市販車上限(370psくらい?)のユニットを積んだエクストリームモデルを期待する声も多いのだとか・・・。実際にコルベット用のV8自然吸気ユニットに換装されたMDロードスターが出てました。
フライング・ミアータ が、V8エンジン搭載のND型マツダ「ロードスター」をついに発表 https://t.co/ZlKYIVZFc8 @autoblogjapanさんから
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年1月7日
もっともこのような仕事はアフターマーケットに任せておけば良いわけですし、ポルシェにもRUFというカスタムファクトリーが用意されています。しかしベース車を開発する立場として、いかにスポーツカーのマーケットに理解があるか!?を示すこともそれなりに要求されます。限定発売されすぐに完売した「911R」と「GT3」の発売は、ポルシェ(911)はまだ死んでいない!!ことを世界に示しました。
ポルシェのスポーツカーはどんどん「ピュア」になる!?
そして日本価格1400万円の「カレラT」でダメ押し。911はカリフォルニアのアクティブセレブのオモチャではない!!くだらない装備(リアシート!!防音材!!)は全部いらねー!!と取っ払ってしまったのに価格はカレラよりも割高・・・もちろんエンジンもそのまま。こんなグレードは日本で売るわけはない!!と思っていたらあっさりと日本リリースを発表。
ポルシェ「911カレラT」発表 軽量化でカレラと区別 「ピュア層」狙う - 海外ニュース | AUTOCAR JAPAN https://t.co/uOu1ErUgon
— CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年1月7日
8○、NS○、GT-○などなどピュアを履き違えた「創造性プア」なスポーツカーを見るたびに少々気が重くなるこの頃です。・・・哲学もなくダセーオヤジがチャラいオーラを出すためのアクセサリー的な価値しかメーカーの開発者には見えてないんじゃねーの!?とか暴言の一つも言って見たくなる。いくらお金をかけてもこれじゃポルシェやマツダには勝てないだろうな・・・。