マウンテン・ゴリラのカーライフ

最高に面白いクルマのブログを作りたい!!(もちろん全編フィクションです)

自動車産業の『聖域』

 

マルキオンネは最後に何をする!?

  某大御所ライターが昨年末(2017年)くらいに「フェラーリだけば別格!!SUVなんて作らない!!」とドヤ顔でGENROQに記事書いてましたけど、とうとうSUV開発報道が出てきましたね。SUVボデーをどっかの暇なテクニカルコンサルタントに作らせて、量販気味で余った3.9LのV8ターボを乗っけておけば2000万円以上で売れるのだから、とりあえず作っておけって気にはなるよね。「フェラーリだけは別格」とか思っているのはたぶん日本のオッサンだけ(清水とか清水とか西川とか)。そもそも「別格」だったら、N◯XやX◯Rのデザインとか露骨にパクったりしないだろ。

 

フェラーリの広告宣伝費は本当にゼロなのか!?

  フェラーリは『別格』ってことにしておいた方が、日本のカーメディアやオーナーには何かと都合がいいのだろう。フェラーリを所有していただけで、カーメディアとしての箔がつくのかもしれないけどさ、もうそういう時代じゃないだろ。フェラーリといえども「フェア」にジャッジされる。・・・みたいなことをフェラーリ好きにぶつけると、「フェラーリは広告宣伝費一切なしでクルマ売ってんだぜ!!CMや雑誌広告は打たない!!やっぱり別格だ!!」と返ってくる。しかしF1参戦や富裕層向けのイベントも広告宣伝費みたいなもんだと思うが・・・。

 

フェラーリはすでに俗物化している!?

  まあ確かに「フェラーリだから可能」と思われる部分はたくさんある。自然吸気エンジンはもちろん、ターボエンジンにおいても完全に他のメーカーとは違う領域の回転を使うエンジンを作り続けている。アルファロメオアウディ、ホンダ、BMWが止めてしまったエンジンを回す競争を続けている。8000rpmにピークを持ってくるライバルは・・・ランボルギーニ(アウディR8)、ケーニッグセグ、911GT3くらい。ケータハムのセブン480は、マツダのMZRターボを8500rpmに仕立てていて、これをロードスターRFに換装したスペシャルグレードを作れば、マツダフェラーリに肩を並べるんだけどなー。

 

モーターには勝てないですか!?

  これからはEVの時代で、フェラーリのV12を圧倒するモーター搭載車がどんどん出てくる・・・これが自動車メーカーの読みだと思う。アメリカや中国のEVスーパーカーがことごとく欧州のエンジン派のスーパースポーツを上回る加速性能を手にいれた。よって内燃機関はモーターには勝てないという通念が広がっているけども、それではなんでスペースシャトル弾道ミサイルはモーターで飛ばないのか!?

 

トルクでクルマを語るべきではない

  確かに新幹線はモーターで走る。一般にガソリンエンジンディーゼルエンジン < モーターに比してトルクは上がるので、ツルツルのレールの上を熱効率優先で走る鉄道は、初動のトルクがコントロールしやすいモーターが一番適しているっていう話だ。欧州の凸凹道でタイヤを空転させながら走る欧州車にとっては、ある程度の車重と一定レベルのトルクがないと走行性能が確保できない。カーメディアで「トルク!!トルク!!」と言っているオッサン達は基本的に意味がわかっていないか、わざと真実を隠して書いている。それを鵜呑みにする読者は・・・。

 

なぜ日本のタイヤがスーパーカーに採用されたのか!?

  1980年代に日本の某タイヤメーカーが、フェラーリやポルシェに採用されることを前提としたタイヤ開発を行っていた。大真面目なタイヤメーカーに対して、故・徳大寺有恒さんは「絶対に無理だ・・・」と非常に冷淡だったそうだ。その後この日本メーカーは世界を席巻し、フェラーリやポルシェにも無事採用されます。

 

タイヤとトルクの関係

  タイヤ開発には「動力の伝達」「乗り心地」「旋回性能」「姿勢変化」など複雑に評価基準が入り組んでいて、目指す方向性はパラメータ上の選択に過ぎないのだろうけども、タイヤの基本性能を理想的に高めて行った先は、鉄道の鉄輪のような極小の摩擦係数になるわけではないです(それじゃ曲がらないって)。現状のフェラーリユニットは70kg・m程度の最大トルクを発揮しますが、メルセデスBMWは80kg・m超のユニットを搭載したモデルも市販化されています。

 

トルクを決定するもの

  クルマ好きにとっては当たり前の話ですけども、トルクとは車重に対する保険に過ぎないものです。つまりロールスロイスAMGが乗り心地を考えて車重を2.5トンに設定してそれを一定レベルで加速させるには80kg・mが必要だという話であり、もちろん過大なトルクは加速性能を高めますが、それに伴い優秀なディファシャルが要求され、最終的にタイヤの実力がすべての機能を請け負います。

 

『トルク論者』は何もわかっていない。

  トルクとは、車重とタイヤ性能から理想値が逆算されて設定されるものであり、一義的に高めればいいというものではない。トルクが上がってタイヤの性能も上がればクルマはどんどん早くなる!?そんな単純な話ではないです。ドイツメーカーは車重があるクルマゆえにトルクの理想値が高く要求されているだけなのに、「トルクがあっていいエンジン」という謎のレビューが日本のカーメディアには溢れている。素人でも当たり前に使っていて、私が書いているいくつかのブログにも「トルク論者」が多数出没しています。まあ何にも考えてないんだなーってわかる。

 

トルクとタイヤはトレードオフ

  フェラーリは次世代モデルではハイブリッドを選択するようです。清水和夫のような平凡な「トルク論者」は燃費のためとか安易に結論するのだろうけども、限られた排気量の中でトルクを極大化させることによるパフォーマンスの低下をハイブリッドによって防ぐのが狙いなのは素人目にも明らか。要するに「トルクを出すエンジン」は「悪いエンジン」なんです。出力特性に悪影響を与えるだけでなく、トルクが無駄に高いと、タイヤの性能をピーキーなトルクから車体バランスを守る方向に使わなければならないですから。(だからドイツのタイヤは使えねーんだよ)

 

フェラーリの『聖域』

  ハイブリッド化へ進むからこそフェラーリにはまだまだ『聖域』が存在するんだと思う。カーメディアにとっては「日本製」のタイヤやディファレンシャルを採用するフェラーリにはかねてより懐疑的な論調があり、さらに日本のお家芸と言われるハイブリッド採用に踏み切ればさらなる恥ずかしい批判が吹き出しそうですが、全てはトルクの定義すらわかっていない不勉強な連中の勘違いじゃねーの!? 「トルク論者」にはおそらく理解できないでしょうけど、そこに朧げに存在するのがフェラーリ及び自動車産業全体が守るべき『聖域』なんですよ・・・。

 

 

 

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